Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

制服(職服)は退職者チェック外?

Yomiuri Onlineの1月20日記事にコンビニの制服がオークションサイトやフリーマーケットで売られている件が書かれていました。

退職などで不要になったものが出品されたとみられ、実際に売買が成立したケースもあった。(Yomiuri Online記事より引用)

 

気になったのでヤフオクを調べてみたのですが、普通に出品されています。

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出品者は、、安定して商品を供給し続ける業者さんらしき方もいますし、個人ぽい方も居ます。私が調べた時のざっくり感では、ローソンが3000-3500円、セブンイレブンが4000-5000円、ファミリーマートが1000円-2500円という感じで落札されている品がありました。

出品者の言い訳としては、コスプレや演劇の小道具として使えますよ・・・という出品コメントが多いようですが、Yomiuriの記事にあったように、

従業員を装って悪用される事態が懸念されることから、各企業は制服の管理を厳格化しているが、出品は後を絶たず、対応に頭を悩ませている。(Yomiuri Online記事より引用)

 

制服(職服)を着ている事が、ある意味信用となっている事もあり、特にアルバイトの入れ替わりの激しい様なコンビニでは、オークションで入手した中古の制服を着て、アルバイトしか居ないような時間帯に正規従業員のふりをして店舗に入られると・・・コンビニ強盗のリスクだけでなく、商品の不正持ち出し等々、いろいろな事が出来てしまうかも知れません。何年か置きに制服もリニューアルがされる事が多いとは言え、貸与品の管理不備が犯罪につながるリスクは考えておく必要があるでしょう。

制服は厳しく管理するためには、例えば個人のIDを制服に(分からないように)埋め込み、企業側が中古出品を落札し調査する事も実施し、出品者(不正制服流出者)を特定、訴訟する事も有効かと思います。

しかしアルバイトまで含めて管理するのは現実的ではないかも知れません。その場合は、退職者チェックで職服の返却を厳しくチェックし、「制服を無くした」と言うアルバイトやパート、従業員に対しては、「オークション等に不正出品された際には損害賠償する」といった誓約書を取る事も有効かも知れません。

学生時代から含めて考えると、制服文化というのは日本独特な文化と言えるかも知れません。識別や帰属意識向上のために制服が未だに有効だとは思いますが、外部者が制服を持ってない事を前提にした仕組みが狙われる事を避けるためにも、対策は考えておくべきかと思います。

 

 

パイロットのイラスト(職業)

 

更新履歴

  • 2018年1月21日 PM(予約投稿)