Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。諸々のお問合せ(取材、執筆、各種お問合せ等)はフォックスエスタ (https://foxestar.hatenablog.com/)をご覧ください。

スマートグラスを使った顔認証は日本でも普及するか?

ビジネスインサイダーの2月9日記事に、中国でスマートゴーグルを使った顔認証実証が始まっている事が取り上げられていました。

www.businessinsider.jp

  • 中国の警官が、顔認証メガネの使用を開始した。
  • テストでは、100ミリ秒(0.1秒)で顔を認識。
  • すでに7人の容疑者を逮捕、26人が旅行を禁じられた。
  • 中国は顔認証技術の利用を拡大している。全国民を3秒以内で認識する国家規模のデータベースの稼働に向けて動いている。

こうした動きに対して、人権擁護団体は、プライバシーの侵害にあたると非難している。

(ビジネスインサイダー記事より引用)

スマートグラスと顔認証DBとの照合は、誰もが分かる組み合わせと言えますが、プライバシー侵害懸念などもあり、実装されたのは、もしかするとこの中国の事例が始めてかも知れません。今年の1月からの稼動で7人の容疑者を逮捕という華々しい実績があるとの事ですが、東京駅などの主要駅でで警察官が目視で人ごみを監視しているのを見ると、こうしたシステムを日本は世界に先駆けていれるべきだったのではないかと思います。

日本では、2015年の東京マラソンで監視カメラを搭載した「ランニングポリス」が導入されましたが、小型カメラを本部に転送する仕組みなので、中国の仕組みとはちょっと違います。走っている場合はスマートグラスとは相性が悪いのだとは思いますが、スマートグラスを使った警備の方が(あまり動かない警備の場合ですが)スマートですし、(予算さえあれば)装備できる警察官の数も多くできる気がします。

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/shokai/katsudo/running_police.images/photo1.jpg

警視庁HPから引用)

 

こうした顔認証技術への取り組みは、AppleのFaceIDや、GoogleGoogleグラスだけでなく、例えばAmazonなども取り組んでいます。(日本では東京マラソンのランニングポリスに採用されたNECなどが有名ですが)

aws.amazon.com

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実験データ(2017年11月24日のAWSブログ記事)ではありますが、同時に100人の顔認識を行えるような技術になりつつある様ですので、顔検出アルゴリズムの精度向上(誤検知)の問題はまだあるでしょうし、人ごみでの認知(動きがある場合)についても、まだ課題はあるのでしょうが、犯罪者検挙などに可能性を感じる技術である事は間違いありません。

 

一方で規制当局が、犯罪にかかわりの無い一般人のデータを収集する、あるいは特定個人を不正に追跡する等、プライバシーの侵害の懸念もあります。少し前の映画の世界が現実化しつつあるのを感じますが、実際に効果がある実証データが積み重なっていくと、近い将来、スマートグラス+顔認証の技術は日本でも普及するのではないかなと思います。

プライバシー懸念が気にはなりますが・・・日本だと春先は、マスクや怪しげなゴーグル着用者が増える、口の悪い外国人の友人から言わせると「銀行強盗が増加する」、いわゆる花粉症シーズンですので、顔の多くが隠され、顔認識率が極端に落ちる時期がある以上、日本での本格普及は海外より少し遅れると思いますので、じっくりと海外事例の欠点を解消していけば良いのではないかなと愚考します。

 

メガネ型コンピューターのイラスト

 

更新履歴

  • 2018年2月25日PM(予約投稿)