Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

配達の安全性は性悪説で

米国Amazonの記事が気になりました

www.businessinsider.jp

アマゾンは、配送トラックに偽ラベルを貼った空の荷物を仕掛けていると情報提供者はBusiness Insiderに語った。
もし、ドライバーが偽の荷物をアマゾンの配送センターに戻さなければ、ドライバーには盗みの疑いがかけられる。
「これは、いわば罠。ドライバーの正直さをチェックすることが目的」とアマゾンの元ロジスティクス・マネージャーはBusiness Insiderに語った。

(Business Insider Japan記事より引用)


◆キタきつねの所感

日本では(まだ)起きないケースかも知れません。米国では配送中に配達員が荷物を盗んでしまうような事件が頻発している、そんな風に考えるとこの記事の重みが出てくる気がします。配達員が偽荷物を配送した際に貼られたパッケージラベルがエラーだった場合、上長に報告するか、配送センターに戻す事になっているようですが、これを偽荷物のラベルがエラーだった事から、荷物が行方不明な(管理されてない)荷物だから盗んでしまおうと考えてしまう・・・そんな盗みを働いている、あるいは盗みを将来的に働く可能性がある配達員を捕まえる事を主眼とした施策のようです。

 

そんな必要が?とも思えるのですが、WallMartなどでは以前から倉庫においてあるはずの商品在庫が日本以上の比率で行方不明になっている(内部不正)とも聞きますし、海外移民の方なども多い米国や欧米諸国では郵送物の事故というのも高いと聞きますので、こうした事をAmazonが考える事は一定の背景事情があるのだと思います。

 

それ以外に考えられるのは・・・この記事も影響しているのではないでしょうか?電子鍵を貰って車(コネ区テッドカー)のトランクに配達するサービスを考えた際に、

japan.cnet.com

極論を言えば、トランクに爆発物を仕掛けてしまう事もできる訳ですし、あるいは車自体を盗もうとする人もいるのかも知れません。こうした新しいサービスが成立するためには、車(コネクテッドカー)の普及と共に、安心して車の鍵を配送業者(Amazon等)に預けられる環境が出来ている事が重要だと思います。

 

そうした意味では、配達員(人)の安全性というのもサービスの売りになっていく時代なのかも知れません。

 

 

宅配便のイラスト「男性配達員」

 

更新履歴

  • 2018年9月30日PM(予約投稿)