Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

中華風 エイプリルフール?

トランプ大統領の別荘に中国のスパイと見なされる女性が不法侵入した件で続報が出ていました。

www.cnn.co.jp

 

米連邦検察当局は1日、トランプ米大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」(米フロリダ州)に不法侵入したとして2冊の中国旅券を所持していた女を訴追した。CNNなど複数の米メディアが2日報じた。女はコンピューターの不正動作を起こすプログラム「マルウエア」が入ったUSBメモリーや4台の携帯電話なども持っていた

女の名は「ユージン・チャン」と報じられている。3月30日に身柄を拘束された。トランプ氏はこの日、マール・ア・ラーゴに滞在していたが、侵入時には不在だった。

訴追理由は、制限区域への侵入と警察官に対する虚偽証言の罪。マール・ア・ラーゴは会員制の高級リゾートホテルでもある。女は受付に訪問目的として、国連の中国系米国人の団体が主催するイベントに出席するためだと説明した。だが、こうした予定はなかった。

日経新聞記事より引用)

 

 

◆キタきつねの所感

本当にスパイが狙ったのだとすれば、シュウキンペイ国家主席は中々大胆な攻撃を指示したなと思いますが、個人的には、警備体制を図る目的、あるいはトランプ大統領への(いつでも攻撃できるのだという)脅しという考え方も出来る気がしました。

 

まず考えたのが、4月1日の犯行です。質の悪いエイプリルフールネタと考える事もできそうな気がします。

 

もう1つ、日経記事にもありましたが、複数の旅券保有という情報・・・

米連邦検察当局は1日、トランプ米大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」(米フロリダ州)に不法侵入したとして2冊の中国旅券を所持していた女を訴追した。

日経新聞記事より引用)

 

どこかで聞いた記憶が・・・

米国内で、中国IT企業への警戒感が高まっている。中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟容疑者がカナダで逮捕されたが、何と7通のパスポート(旅券)の発行を受けていたというのだ。

ZakZak記事より引用)

ファーウェイの副会長と同じパターンですね。だからこそFBIは国家スパイだと見なしている証拠でもあるのでしょうが、警備が厳しい大統領の別荘で、物理的侵入というのは元々成功率が高いとは思えない事は中国側も十分に理解していると思いますので、だからこそ、本気の(スパイによる)攻撃では無かったのではないかなと推測します。

 

だからこそトランプ大統領は、スパイという可能性について、

トランプ氏は3日、中国のスパイ活動の可能性について問われ、私はまったく懸念していない」と否定「場当たり的」な犯行だったとして、大統領警護隊(シークレットサービス)と侵入を阻止した受付担当者を称賛した。

CNN記事より引用)

あまり心配してないとコメントしたのかも知れません。4月1日のジョークであったとすれば、ファーウェー問題を含めて、米中の貿易摩擦にどういった影響を与えていくのか、今後の動きをよく見ていくべきかも知れません。(次の大きな報復事件が起きそうな・・・)

 

 

余談ですが、米フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」をGoogleMap(ストリートビュー)で見ると、施設周りに高い塀がある訳ではないので、物理侵入は容易そうに見えます。ですが、建物まではかなり距離があるので、諸々のセキュリティにひっかかりそうな気がします。(大統領の泊まる施設で物理的な大きな脆弱性が在るとは思いませんが・・・)

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更新履歴

  • 2019年4月7日PM(予約投稿)