Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

カリフォルニア州はプライバシーを尊重する

警察官や政府関係機関の生体監視システムに関して、カリフォルニア州上院は使用禁止の法案を可決した様です。

threatpost.com

 

カリフォルニア州上院は、顔認識を使用するボディカムの法執行機関による使用を禁止する法案(22〜15票)を可決しました。

(中略)

法案は、警察官や機関が「警官のカメラまたは警官のカメラによって収集されたデータに関連する生体監視システムの設置、起動、または使用を禁止される」と述べています。違反している:「法案は、その禁止事項に違反した法執行機関または警察官に対する衡平法または宣言的救済のための訴訟を提起することを許可します」と、それは読みます。

既存のカリフォルニア州法は、ボディカムによって記録されたデータのダウンロードと保存のためのベストプラクティスと手順があることを規定しているだけです。

 

(Threatpost記事より引用)※機械翻訳

 

◆キタきつねの所感

リベラルな方が多く住むカリフォルニア州らしい判断と見る事もできるかも知れませんが、ロボコップでなくても、海外の警察は既にウェアラブルカメラを活用して犯罪抑止や犯人逮捕に活用し始めています。日本でも東京マラソンや外国要人警備などで既に、東京オリンピックを見据えてランニングポリスがカメラの活用をし始めていますが、

www.youtube.com

 

中国は、もっと大々的にカメラ画像を活用している様です。

 

foxsecurity.hatenablog.com

 

 

 一方でプライバシー権が侵害について懸念する声も強く、それが今回の法案可決に表れたと言えそうです。記事の後半の方で気になったのが、、顔認識の精度部分についての記載で、人種差別(特に黒人に対する)の問題が今に残る米国らしい「警官の偏見(差別)」懸念が、今回の法案可決の背景にあるとの分析は興味深いものがありました。

プライバシーと刑事司法の擁護者は、研究では、顔認識の精度に関しては、女性と有色人のエラー率が不均衡に高いことを示していると主張しています。そして、誤った身元のケースは、警察の偏見を悪化させる可能性があります。

(Threatpost記事より引用)※機械翻訳

 

新しい技術の使用に関して、勿論それを積極的に取り入れる事によるメリットも大きいのですが、その必要性や影響についての議論もされないまま無秩序に技術を取り入れる事で、個人のプライバシーが侵害され、警官が黒人を誤認逮捕につながる、、といった人種差別問題にもつながる可能性がある、そんな事をこの記事を読んで思いました。

 

 

余談です。気づいたら公開が終わっていた、サイバー・ミッション(山Pが出ています)。観た人に聞くと、ハッキング(カメラ活用)等、映画の内容以上に近い将来に出てきそうな”技術”が出ていて面白いとの事でしたのでした。プチ連休が続く間に観たいなと思います。

サイバー・ミッション [Blu-ray]

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日本人のためのパスワード2.0   ※JPAC様 ホームページ

7/8に日本プライバシー認証機構(JPAC)様からホワイトレポートをリリースしました。キタきつねとしての初執筆文章となります。「パスワードリスト攻撃」対策の参考として、ご一読頂ければ幸いです。

 

 

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更新履歴

  • 2019年9月14日AM(予約投稿)