Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

時代は「情報セキュリティ・アナリスト」

世のセキュリティ担当者に一筋の光を与える様なビジネスインサイダーの予想記事が出ていました。

www.businessinsider.jp

 

アメリカで急成長中の仕事の多くは、比較的な自由な勤務時間だったり、自宅のソファでくつろいだまま行うことができたりするものだ。アメリカの在宅ワークの求人サイト、フレックスジョブズFlexJobs)が、2020年代に引く手あまたとなりそうな、自由度の高い仕事トップ10を発表した。

「自由度の高い仕事」とは、自宅でできる、またはフレキシブルな勤務時間を利用できる専門職と同社は定義している。ランクインした仕事の多くは在宅、契約、またはパートタイムでの勤務が可能だ。高収入の医師助手など、雇用者自身が勤務時間を選ぶことができる仕事もある。

フレックスジョブズアメリカ合衆国労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics)のデータを使い、自由度の高い仕事で最も需要の高いものを調査した。

(ビジネスインサイダー記事より引用)

 

◆キタきつねの所感

2020年代引く手あまたになりそうな自由度の高い仕事トップ10というユニークな予想データです。

 

早速10位から、、

10位:高等教育機関の保健学の教員
2028年までの予測成長率:23%

所得の中央値:9万7370ドル(約1058万円)

高等教育機関の教員は、学生にさまざまな一般科目や専門科目を高校以上のレベルの学校で教える。研究や学術論文の発表、書籍の出版も行う。

高度な知識を持つ教員が自由度が高い事は分かるのですが、何故保健学なのだろう・・・という所はわからずです。

 

9位:アプリケーション・ソフトウェア開発者
2028年までの予測成長率:26%

所得の中央値:10万3620ドル(約1126万円)

ソフトウェア開発者は、コンピューター・プログラムを作成するクリエイティブな人物。パソコンなどのデバイスにおける、特定のタスク実行を可能にするアプリケーションを開発する者もいれば、デバイスやネットワークを制御するシステムを開発する人もいる。

その実力が問われる気もしますが、高度な知識を持つ開発者であれば年収も高くなる・・まだ若干疑問ですが、企業が内部にこうした高度人材を抱えず、アウトソーシングする流れと考えれば、あり得るのかも知れません。

 

8位:オペレーション・リサーチ・アナリスト
2028年までの予測成長率:26%

所得の中央値:8万3390ドル(約906万円)

オペレーション・リサーチ・アナリストは、数学や統計の高度な分析メソッドを使い、組織の問題を特定したり、調査したり、解決するためのよりよい決定を下すサポートをしたりする。

経営コンサルタントの領域な気がしますが、もっと細分化された分析業務なのかも知れません。個人的には、この様なコンサルタント領域は、技術的な分析・調査能力だけでなく、それを依頼主に説明する能力(対人スキル)も重要だと思います。(日本の技術知見を持つ方はやや両方の能力を持つ方は少ない気がします)

 

7位:数学者
2028年までの予測成長率:26%

所得の中央値:10万1900ドル(約1107万円)

数学者はデータを分析し、数学的手法を応用して、ビジネス、エンジニアリング、医療その他の分野における問題の解決をサポートする。

ビックデータ分析やAIアルゴリズム開発などもこうした領域に入ると考えれば、当然な気がしますが、理系が光を浴びる時代がまたやってきていると言えそうです。

 

6位:遺伝子カウンセラー
2028年までの予測成長率:27%

所得の中央値:8万370ドル(約873万円)

遺伝子カウンセラーは、個人または家族における遺伝性障害や先天性欠損症などのさまざまな遺伝性疾患のリスクを評価する。また、医療機関や遺伝性疾患のリスクに関心のある個人や家族に情報を提供し、サポートする。

新しい領域になりそうです。日本だと倫理的な課題をクリアしないといけない気がしますが、研究分野から一般的な職業に移り変わっていく、海外ではそうした動きが早い気がします。

 

5位:言語聴覚士
2028年までの予測成長率:27%

所得の中央値:7万7510ドル(約842万円)

言語聴覚士は、子どもおよび大人のコミュニケーション障害や嚥下障害の診断、治療、予防のサポートを行う。

日本だと、まだ暫く社会的ポジションを掴むまでに時間がかかりそうな気がしますが、米国では心理カウンセラー等、この分野にやや近い職業もありますので、今後活躍の幅が広がるのかと思います。

 

4位:診療看護師(ナース・プラクティショナー
2028年までの予測成長率:28%

所得の中央値:10万7030ドル(約1163万円)

麻酔専門看護師、看護助産師、診療看護師は上級看護師とも呼ばれる。患者のケアをとりまとめたり、一次医療および専門医療を施したりすることもできる。業務範囲は国や州によって異なる。

現在だと巡回看護がこの領域に近いのでしょうか。日本でも(働いてない)看護士資格者も一定数いらっしゃるかと思いますので、医療行為の幅が拡大して(なおかつ訴訟リスク軽減も必要そうですが・・)、こうした分野で一定以上の収入になるのであれば、定着するかも知れません。

 

3位:統計学
2028年までの予測成長率:31%

所得の中央値:8万7780ドル(約954万円)

統計学者は、統計モデリングなどの理論とテクニックを応用し、現実的な問題を解決する。また、そのために調査、アンケート、実験、世論調査を企画し、必要なデータを収集する。

7位で書いてしまった、ビックデータ分析はこちらの領域なのかも知れません。この領域は学術系(大学の先生等々)だった気がしますが、もっと一般企業向けにニーズが広がっていく、そうした事が求められているのかも知れません。

 

2位:医師助手
2028年までの予測成長率:31%

所得の中央値:10万8610ドル(約1180万円)

医師助手、通称PA(Physician Assistant)は、内科医、外科医、その他医療従事者とチームを組み、患者の診察、診断、治療を行う。

どうしてもドクターXが頭をよぎってしまうのですが、、医療分野でのフリーランス・・ドクターXでは非現実的な匂いがしてましたが(でも面白いから観てました)、プロのサポートスタッフ分野では、本当に現実に近づいていくのかも知れません。

 

1位:情報セキュリティ・アナリスト
2028年までの予測成長率:32%

所得の中央値:9万8350ドル(約1068万円)

情報セキュリティ・アナリストは、組織のコンピューター・ネットワークやシステムを守るためのセキュリティ対策を計画、実行するサイバー攻撃が増加する中責任は増すばかりだ。

余談が長くなりました。1位は「情報セキュリティ・アナリスト」!

セキュリティ系では唯一のランクインです。アナリスト・・・一瞬期待したのですが、この役目・・CSOやCISO的な匂いがする説明内容ですね。しかし、実務を責任をもって実行するポジション、引く手あまたになる事が予想されるという点では、良い事な気がします。

多くの企業ではこうしたセキュリティ担当に対して、給与水準が高いとは言えない事が多い様ですが、もっと優遇されるべきなのではないでしょうか。さもなくば、優秀な担当は”引く手あまた”で(海外も含めて)他社に獲られる、そんな時代が近づいている気がします。

 

 

因みに、、どうでも良い話ですが、私は「インシデント・アナリスト」と勝手に名乗っております。(そんなアナリストは社会的認知もされてませんが・・やっている事と近いので)

今年の副業(?)収入を考えると、こうしたブログを書いているよりもコンビニでバイトしていた方が遥かに実入りが良い・・・という状況も来年は少しは変わると良いのですが。。。


 

本日もご来訪ありがとうございました。

 

 

日本人のためのパスワード2.0   ※JPAC様 ホームページ

7/8に日本プライバシー認証機構(JPAC)様からホワイトレポートをリリースしました。キタきつねとしての初執筆文章となります。「パスワードリスト攻撃」対策の参考として、ご一読頂ければ幸いです。

 

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更新履歴

  • 2019年12月22日AM(予約投稿)