Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

寄付文化を根付かせる

薄々感じていましたが、政府は緊急事態宣言を延期する方向の様です。本日もセキュリティには関係が無い記事となりますが、朝日新聞の記事が気になりました。

www.asahi.com

 

 新型コロナウイルスの感染拡大で公演を失った芸人たちが、動画配信に活路を見いだしている。無料視聴が一般的なYouTube(ユーチューブ)だけでなく、オンライン会議システムのZoom(ズーム)を使った有料配信の寄席が登場。「配信映え」に挑戦する若手芸人も現れた。

 「これ、お客さんに見えてるの」「いま見えてますよ」「ええっ」

 芸人たちの戸惑いがそのまま映し出されるなか、4月19日午後、お茶の間ZOOM寄席が始まった。此花千鳥亭(大阪市此花区)にいる2人の講談師と、自宅にいる落語家2人の計4人が出演。事前に2千円をペイペイ(PayPay)か銀行振り込みで支払った視聴者が「観客」だ。

朝日新聞記事より引用)

 

キタきつねの所感

芸術分野に関して、ドイツはいち早く芸術家の支援の為の、文化分野の救済策を発表しました。日本とドイツでは消費税も違います(ドイツは19%)ので一概に社会保障の内容を比較できませんが、芸術が長年の歴史に培われて大きな産業ともなっているドイツと日本との差を感じます。

www.huffingtonpost.jp

 

残念ながら日本では、公的な補助は未だ検討に入っておらず、テレビや劇場出演が出来なくなった芸人・アーティストの一部は、YouTube等に進出しており、動画収入で凌ごうと、一般のYouTuberとの競争が激化している様です。

面白い動画が増えるのは、この巣ごもりの時期には大変ありがたい事なのかも知れませんが、視聴アクセスを稼ぐ事に注力して「芸」では無い動画を作られている方も、残念ながら多い気がします。

 

  

演芸場や劇場、あるいはライブハウスが新型コロナ禍により営業自粛に追い込まれている中で、この状況が長く続けば、多くの伝統芸能、アーティストは消えていく事につながるかも知れません。

クラウドファンディング・・という手で事態を打開するアイディアを出されている方もいますが、私は、こうした状況だからこそ、ファン(タニマチ)は少額でも良いので彼らの芸に対して寄付(チップ)を払う文化を根付かせる良いチャンスである気がします。

 

寄付やチップ文化というのは、日本ではあまりなじみが無く、お祭りなどの協賛金程度でしか見かける事は無くなりつつあります。旅館でポチ袋、というのも若い世代の方々には絶滅した風習に映るに違いありません。

余談ですが、以前住んだ事があるアメリカでは、地域の劇団を支える寄付、高校のフットボールチームの活動費の為のチャリティバザー等々、小さな活動が地域に根付いていました。こうしたサポート活動は、今の日本にこそ必要な気がします。

 

本来は、寄席や劇場の運営側が全面協力をして「ネット有料寄席」をサポートすべき所だとは思いますが、財政的な余裕も、技術的なサポートも難しいのかも知れません。(吉本等の大手プロダクションのサポートなら出来そうな気がしますが・・・)

であればこそ、こうした失敗交じりのチャレンジを応援する人が増えて投げ銭」を入れていく仕組みや文化が根付く事が、日本の「芸」を守る事にもつながっていくでしょうし、巣ごもりでストレスが溜まっている私たち自身をも救う事になるのではないでしょうか。

 

※こうしたチャレンジは失敗も数多くあるかと思います。撮影アングルや、音声トラブル、切替のミスや、聴衆のマイクが入っている事件など・・・その課題はZoom等で会議に四苦八苦している私たちと同じなのかと思います。

 

記事を書いている中、ふと思い出して毎年GWに行われる「野毛大道芸」がどうなっているか調べてみたのですが・・・9月に延期の様です。願わくは、その頃には色々と落ち着いている事を。

nogedaidogei.com

 

 

本日もご来訪ありがとうございました。

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投げ銭のイラスト(ギターケース)

 

更新履歴

  • 2020年4月30日 PM(予約投稿)