Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

羽田空港の水際対策

記者さんも意図的に隠したのだと思いましたが、この非常に短い記事が気になりました。

this.kiji.is

 

 厚生労働省は6日、海外から羽田空港に到着した10歳未満の外国籍の女児が、新型コロナウイルスに感染していたと発表した。

共同通信記事より引用)

 

キタきつねの所感

記事を書いている6/7(日)の前日6/6(土)の東京都の新規感染者数は26人でした。

東京 26人感染確認 20人以上は3日連続 新型コロナウイルス | NHKニュース

 

しかし、この中には訪日外国人の水際で検出されたデータは入りません。一応確認すると、10歳未満の方が含まれている発表にはなっていません。

東京都は6日、都内で新たに20代から70代の男女合わせて26人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

このうち20代と30代が合わせて19人で、全体のおよそ7割を占めています。

NHKニュース記事より引用)

 

余談ですが、何故、営業自粛要請中のはずの感染者を出したホストクラブの店名が、パチンコ店の様に公開されないのか、東京都の対応については疑問を感じえません。

最近は滅多に行く事のなくなった、接待を伴うお店の代表格である、銀座(自粛している方)の方々は、歌舞伎町のヤンチャな方々と同じカテゴリーに扱われているので「激怒」しているだろうな(オマイラノセイデ・・・)と想像しますが、本題とは違うので割愛します。

 

さて、羽田空港の話に戻しますが、国際線運行の大多数は「欠航」が続いています。直近の運行状況を見ても、各国の航空会社が置かれている厳しい状況がわかります。

tokyo-haneda.com

 

データが掲載されていた6/5(金)~6/7(日)の運行状況では、8か国(9都市)の便しか運航が確認できませんでした。

※他の曜日にも運航されている路線はあると思いますので、下記は全てを網羅してない可能性があります。

①フランクフルト(ドイツ)

②マニラ(フィリピン)

③ロンドン(英国)

バンクーバー(カナダ)

シドニー(オーストラリア)

⑥シアトル(米国)

⑦シカゴ(米国)

バンコク(タイ)

ジャカルタインドネシア

 

ここまでは、分かります。しかし、「外国籍の方に対する入国制限(拒否)」が取られていて、訪日外国人が9割以上減少した事を考えると、少し違和感がありました。

新型コロナ:外国人の入国者9割超減、3月 中韓など大幅減 :日本経済新聞

 

当該の「10歳未満の女児」は、どうして入国できたのか?という部分が気になったので、外務省の最新の水際対策のページ(5/27)を見てみました。

www.mofa.go.jp

(1)日本上陸前14日以内に以下の地域に滞在歴のある者

 上陸拒否対象地域を給油や乗り継ぎ目的で経由(経由地での入国の有無は問わない)した後に本邦に到着する場合も,原則,上陸拒否の対象となります。また,査証制限措置(既に発給された査証の効力停止及び査証免除措置の停止)が取られていない国・地域の査証免除対象者または停止されていない有効な査証を持つ者が,上陸拒否対象国・地域以外から,拒否対象国・地域を経由して日本へ到着する場合にも,同様に原則上陸拒否となります。

アジア

インド,インドネシア,韓国,シンガポールタイ,台湾,中国,パキスタンバングラデシュフィリピンブルネイベトナム,マレーシア,モルディブ

大洋州

オーストラリアニュージーランド

北米

カナダ,米国

中南米

アルゼンチン,アンティグア・バーブーダウルグアイエクアドルエルサルバドル,コロンビア,セントクリストファー・ネービス,チリ,ドミニカ共和国ドミニカ国パナマバハマ,バルバドス,ブラジル,ペルー,ボリビアホンジュラス,メキシコ

欧州

アイスランドアイルランドアゼルバイジャンアルバニアアルメニアアンドラ,イタリア,英国ウクライナエストニアオーストリア,オランダ,カザフスタン北マケドニアキプロスギリシャキルギスクロアチアコソボサンマリノ,スイス,スウェーデン,スペイン,スロバキアスロベニアセルビアタジキスタンチェコデンマークドイツノルウェーバチカンハンガリーフィンランド,フランス,ブルガリアベラルーシ,ベルギー,ポーランドボスニア・ヘルツェゴビナポルトガル,マルタ,モナコモルドバモンテネグロラトビアリトアニアリヒテンシュタインルーマニアルクセンブルク, ロシア

以下略

 

現在羽田と運航している事は判明している8か国は全て「上陸拒否の対象」に入っています。

ですので、共同通信の記事では「外国籍」と明示されているので、”原則”の対象外であった可能性が高い気がします。例外措置については、恐らく以下の条件のどこかが適用されたのかと思います。

(注)永住者,日本人の配偶者等,永住者の配偶者等又は定住者の在留資格を有する外国人(これらの在留資格を有さない日本人の配偶者又は日本人の子を含む。以下同じ。)が再入国する場合は,以下のとおり,再入国許可により出国した日及び滞在歴のある地域により,特段の事情の有無が判断されます。原則,特段の事情のある方は,上陸拒否対象地域からであっても入国が許可されます。

(外務省HPより引用)

 

(当該女子や)当該国を探す意図は毛頭ありませんが、それなりに気を遣って過ごして、厳しい入国条件をクリアした上で、日本に入国する前(検温)も問題ないと(おそらく)両親が判断したにも関わらず、(運良く)陽性反応が出、という事に、新型コロナウィルスの目に見えない恐怖、拡散の怖さを感じました。

 

新型コロナ禍で、色々と不自由を感じる事も多いのですが、第2波、3波の怖さを想像してマスク生活を頑張っていこうと思います。

 

 

さらに余談です。今回の件を調べていて、ドイツから緊急帰国する女子大生(日本の水際対策)のNHKの記事(4/8)を読みました。少し古い記事ですが、色々な気づきがありました

同様な事態に巻き込まれたと想定した際に考えるべき点も多々あり、また入国後の行政の管理が緩い(嘘ついて公共機関利用が出来てしまう=性善説に基づく)事がよく分かりました。

www.nhk.or.jp

 

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事故調査官のイラスト

 

更新履歴

  • 2020年6月7日 AM(予約投稿)