Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

定期的に発生する紙書類紛失

こうしたベタ記事が、コロナ禍で減っている気がしますが、物理セキュリティを考える上で、こうした事もあるのだという、良い”事例”が報じられていました。

www.fnn.jp

 

北海道後志総合振興局によりますと9月9日、倶知安町で、保存期間を過ぎ廃棄する書類が入った段ボールを委託業者がトラックで運搬中、荷台から段ボール2箱が国道上に落下しました。

 段ボールは4段くらいに積まれ、上をシートで覆っていましたが隙間から落下。箱が衝撃で開き、書類が周辺に散乱し、一部が風で飛んだということです。

 トラックの作業員や同行していた北海道の職員がその場で書類を回収。1箱に約5000枚の書類が入る大きさで、ほぼ全ての1万780枚を回収しましたが、全部を回収できたのか確認はとれておらず、一部紛失した可能性があります。

 飛散した書類の中には、生活保護関連のものも含まれていて、名前や住所、電話番号のほか、受給金額や収入状況などが書かれてあり、個人情報が流出した恐れがあるということです。

(FNNプライムオンライン記事より引用)

 

キタきつねの所感

トラックの荷台から機密性の高い廃棄書類が落ちるという事件、年に1回くらいは出ている様な気がします

今回の事件では、書類のほとんどが回収できている様ですが、荷台から段ボールが落ちない様にきちんと管理してなかった運転手の責任がまず問われるのは当然です。

しかし委託側である北海道庁が、1つの段ボールに何枚書類が入っていたのか員数管理してなかった事も、「回収できたか分からないので事故報告」になった要因になっています。面倒でも廃棄物は員数管理をしておく、こうした事も重要なのではないでしょうか。

 

もう1つ、この手の事件を聞くといつも思うのですが、

廃棄書類を輸送する際に、パネルバン等の荷台が囲われているトラックを手配しないのは何故なのでしょうか?

荷台がオープンになっているから紙書類が風に煽られて飛んでいく、そう考える事も出来るのではないでしょうか。

 

さらに言えば、今回のケースで段ボールにガムテープ等で封印をしていたのかは記事に書かれてないので分かりませんが、簡易的に上にテープ1本を貼っていた程度だったので、荷台から落ちた際に箱が開いてしまった可能性も十分考えられます。

 

また、大量に保存期限をすぎた廃棄書類があった様なので、無理だったとは思いますが、廃棄の前にシュレッダーをかけておけば、紙くずが散乱するだけでインシデント報告は不要だったな・・・とも思ったりもします。

 

余談ですが、書類が輸送中に紛失したケースを少し調べてみました所、2件(もっとあると思いますが)出てきました。

www.itmedia.co.jp

www.security-next.com

 

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荷物を積んだトラックのイラスト

 

更新履歴

  • 2020年9月11日 PM(予約投稿)