3/8の国際女性デーに先立って(ICS)2の調査データが公開されていました。最新データではサイバーセキュリティ人材の1/4（24％）が女性で、職場の「真の平等」が達成されるまでに10年はかかるとの残念な調査結果となっていました。
www.infosecurity-magazine.com
公式発表(ISC2）
・(ISC)² Cybersecurity Workforce Study: Women in Cybersecurity
キタきつねの所感
データをいくつか拾ってみると、まずこのデータが気になります。サイバーセキュリティ分野で働く女性比率が24％。この比率は日本だともっと低い気がしなくはありませんが、女性が活躍しにくい分野である事がデータから分かります。
男女での収入差も大きい様です。サンプル数や、在職年数などが影響している可能性もありますが、上位のポジションにつく女性が（長年この分野で活躍している女性が）少ないとも言えそうです。若い世代（左）はそんなに男女差が無い様に思えますが、特に団塊世代（右）は有意差がありますね。
関心ごとも、男女で違う様です。スキル不足、効率的に業務を行うためのリソース不足、トレーニング不足、効率的に業務を行うための時間（経験）不足といった関心ごとは、女性より男性の方が高い傾向があります。
それでは、女性がどういった分野に注目しているか＝「もっと多くの時間があったら、どのように時間を使うか」という問いに対しての回答で女性の回答比率が高かったとされるのが以下の３分野です。
女性は主に3つの分野に焦点を当てていました。
- リスク分析と管理
- 脅威インテリジェンス分析
- セキュリティ工学
こうした分野を中心に、男性中心の社会が崩れていく事が期待されていますが、残念なデータも記事に出ていました。1人情シスならぬ「1人女子っす」問題です。
ほぼ半数（46％）が男性の同級生よりも著しく少ない給料であると述べ、同様の数（48％）が「男子のみのクラブ」で歓迎されないと感じさせられたと述べました。半数以上（51％）が組織内の唯一の女性です。
（InfoSecurity Manazine記事より引用）※機械翻訳
もう１つ気になるデータがありました。元レポートにはこのデータが見当たらないのですが、先々が明るいと思われてない、これは業界全体として大きな課題だと思います。
57％は、職場に真の平等が存在するまでに10年かかると信じているだけでなく、5分の1（20％）がCIISecにそれは決して起こらないと語った。
（InfoSecurity Manazine記事より引用）※機械翻訳
私も「男子クラブ」側の人間ではありますが、職場や他社で、優秀な女性の方々と仕事をしてきている中、女性ならではの（この分野での）物事を考える上での視点、分析力、伝え方（プレゼンテーション）等々、日々勉強になる事だらけです。
こうした中で、従来通りに「男子クラブ」の閉域網を作っていても、常に先を行く可能性が高いサイバー犯罪者に追い付けない気がしてならず、多様性の維持や、優れた才能を活かす事が、サイバーセキュリティ（ホワイト側）業界にとって重要だと信じています。
※適切な評価だけでなく、長く仕事をしてもらう（環境を整備する）事も重要な気もします。
残念ながら、日本のこの手の数字は「体感では更に下」です。
これが正しければ、海外以上に考えるべき事も多いのではないでしょうか。
余談となりますが、本日「Security Days Spring」東京会場の最終日です。3日間にわたる、こちらのセッションを調べてみると、79名の登壇者中、女性はわずか8名でした。
「約10％」です。
海外が1/4だとすると日本は1/10程度、このセミナーだけで考えるべきものではありませんが、何か、日本のサイバーセキュリティ業界での男女比率に通じているものがある気がしました。
最後にCIISecのCEOであるアマンダフィンチ氏のコメントを貼って終わります。
「業界に新しい才能を引き付けることは、必要なスキルを確実に身に付けるために不可欠なだけではありません。それは、あらゆる個人に新しいキャリアで繁栄する機会を与え、長期的には業界を停滞から保護します。」
本日もご来訪ありがとうございました。
Thank you for your visit. Let me know your thoughts in the comments.
更新履歴
