Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

SNSは人生の履歴書

今やSNSが無い時代というのは考えられないという方も多いのではないかと思いますが、「見られている」事を考えて発言しないと採用時は問題となる事もある様です。

gamedrive.jp

本名でSNSをやっている場合は、本名を検索するとアカウントが出てくる場合があります。また、専門学校や大学などで表彰されたことや、ホームページに自身のことが掲載されている場合も、検索結果として出てくることがあります。

もちろんSNSをチェックしていない企業や採用担当者もいます。しかし、SNSをチェックしてます」と公表されることは少なく、就職活動中に「アカウントを探すのか」という疑問を持つ人も多いと思います。

SNSでの発言や行動によって、不採用となってしまうケースもあることを意識して、SNSを利用していきましょう。

 

キタきつねの所感

現在の会社に入社してかなりの年数が経ちますので、「採用試験」なるものからは相当遠くなっています。しかし、突然コロナ禍で職を失った例えば飲食業の方々の様に、いつ「再就職」、あるいは「転職」をする事になるかも分かりませんので、この記事が気になりました。

 

セキュリティ関係ではバイトテロや、コメントバトルから発展してのSNS炎上といったトピックスはあるのですが、SNS炎上には至らなくても、良くも悪くもSNS「公開情報」である事には留意が必要です。

 

採用面接を受ける(学生)側にとって、まず気を付けるべきなのは「本名」で開示されている情報です。周りに「エゴサーチ」が得意な方が居れば、協力を仰ぐと良いかと思いますが、Google検索で出てくる事は、企業の採用担当は「当然見ている」と考えるべきかと思います。

 

ググっても、同姓同名の方が多く出てくる場合であっても、検索ワードを「学校名」×「本名」にする事で、多くの場合は何らかの過去の情報が出てきてしまう方が多いかと思います。

 

Twitter等のSNSでは私の様にハンドルネーム(キタきつね)を使われている方も多いかと思いますが、実名登録必要なFacebookの場合は、そこから読み取れる情報は多岐に渡りますので留意が必要です。

 

採用視点で言えば、例えば喫煙や飲酒に関する(過去に過度にやらかしてないかの)情報、SNS投稿「時間」からの夜更かし度、あるいはSNS中毒度といって事も読み取れるかと思います。

 

就職採用中であれば、以下の事も気をつける事をお勧めします。

ゲーム業界では、通常は開発しているゲームの仕様や、運営スケジュールなどの情報が外部へ漏れないように秘密保持契約を結んでいます。そのため、情報漏洩に関してはかなり厳しい目で見られています

会社説明会で話した内容や資料についてSNSの投稿を禁止していることもあるので、「見てないだろう」と思わずに、決められたルールはしっかり守りましょう。

(ゲームドライブ記事より引用)

 

情報漏えいの視点は、私の本職のコンサルでも同じで、業務で知り得た情報について「口が軽すぎる」人は信用されなくなりますので、仮に私が採用側であった場合は「リスク」に感じるかと思います。

また、上記の様に、会社説明会の内容がSNS投稿禁止」と説明された場合、採用担当が「リーク調査」を行っていると考えても良いかと思います。

 

当然の事ながら、Facebookでは警戒してこの手の情報を上げてない方は多いかと思いますが、「あなたのフォロワー”も”大丈夫でしょうか?」

 

例えば、フォロワーのお母さんから「A商事の最終面接通ったんだって?おめでとう」と投稿されたメッセージを、他の企業の採用担当が見つけてしまった場合・・・・

 

例えば、大学の友人が、あなたとの会話で「Bシンクタンクの試験では”無人島に1つ持っていくモノは?”が聞かれるって●●が言ってました」と投稿しているのを、B社が見つけてしまったら・・・ 

 

例えば、採用面接官の悪口をTwitterの裏アカウントでつぶやいていたのを、友人が親切に「Facebookで引用コメント」していてくれていたら・・・ 

 

例えば、サークルで「やらかした」昔の写真がフォロワーのアカウントに残っていたら・・・

 

例えば、C銀行の撮影禁止エリアでこっそり撮影した写真をTwitter鍵垢(限定)にアップロードしたものが、いつの間にかSNS上にフォロワーが拡散していたら・・・

 

SNSチェックをしている採用担当側は、こうしたSNSチェックについて「実施している」かどうかも公開しない事がほとんどかと思いますので、もし当該学生が”やらかしている”事を見つけたとしても、その事を教えてくれずに「ご縁が無かった」とした最終判断(≒お祈り)しか教えてくれないかと思います。

 

また、匿名アカウント、裏アカウントだから安全であるとは限りません

 

特にリアルタイム(同日中)で呟く癖がある方は要注意かと思います。コメント内容、場所、時間、写真、といった諸条件が揃うと、「学生Aしかいない」とアカウントが特定されてしまうかも知れません。

※リアルタイム投稿ではなく”時差投稿”の方が匿名性がアップする事が多いので、覚えておいても良いかと思います。

 

海外では採用時(新卒・中途)には身元調査(バックグラウンドチェック)が一般的ですが、そうした身元調査は日本企業・組織ではあまり実施(推奨)されていない事もあり、SNS≒公開情報のチェックは、書類、筆記試験や(オンライン)面接などの採用活動を補うプロセスとして多くの企業・組織で使われているかと思います。

 

マナーやモラル違反と思われる発言・写真のUP、過度な(未成年の頃の)飲酒・喫煙、交友関係や、経歴の詐称、あまり企業側が好ましくないと思われる記事や投稿への「いいね」などが無いか、就職・転職時には改めて自分のSNSが「見られても」大丈夫な状態か確認する事は忘れない様にした方がよさそうです。

 

尚、本名でなくてもアカウントを作れるTwitter「素」が現れやすいとも言われていますので、鍵アカウントからの情報漏えいは「リスクが大きい」場合もありますので、留意が必要です。

 

余談です。私も昔はダラダラとTwitterにプライベート投稿をしていましたが、セキュリティ関係の投稿をメインにし始めてから、過去の投稿(一部黒歴史)を削除しました。

 

Twitterは、標準機能では投稿を1件ずつしか削除できないので、過去投稿を消すのに一括ツールを使った記憶があります。

 

※少し古い記事ですが、ご参考まで。

news.mynavi.jp

 

 

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 「採用」と「不採用」の書類のイラスト

 

更新履歴

  • 2021年9月5日 AM