新年あけましておめでとうございます。毎年この時期に更新している「私の情報収集法(2024年版)」を今年も公開します。
■はじめに
サイバー攻撃は国境を越えて発生するため、ランサムウェア、フィッシング、DDoS攻撃など、近年のサイバー脅威の常連となっている攻撃者(脅威アクター)が主に海外にいることを考えると、世界の脅威動向を理解することが年々重要になっています。
海外から日本の組織が受けるサイバー攻撃の多くでは、国際共同オペレーション等の一部のケースを除き、日本の警察が犯罪活動の協力者(出し子、買い子、送り子)を摘発することはあっても、サイバー攻撃の首謀者(コアメンバー)を逮捕するまで至るケースはほとんどありません。
誤解を恐れずに言えば、日本の組織は海外からの攻撃を受け続けているのに、海外で発生したインシデントや攻撃トレンドの把握が遅れ、対策が後手に回っているケースも多いように感じます。最近では脅威インテリジェンスを活用して自己防衛に取り組む組織も徐々に増えていますが、まだ少数派です。セキュリティ担当者は「英語(外国語)に弱い」方が多く、多忙であるためか、DeepLやGoogle翻訳などの翻訳ツールの精度が向上し、ChatGPTなどの生成AIが翻訳や情報収集に使えるようになってきても、海外の主要ニュースソース(1次・2次)や海外のインフルエンサーの発信をウォッチしている人はまだ少ない印象です。
当ブログ(X)では、有力な海外ソースの情報を日々チェックし、発信していますが、1人では限界があり、より多くの方が海外の最新情報(できるだけ1次・2次ソース)に目を向けることが必要だと感じています。この記事を通じて、多くの方が現在よりも「グローバル」な情報に触れる機会が増えることを期待しています。
■インプットで参照している情報源(海外)
今年も絶対外したくない海外有力ソースからご紹介します。
サイト |
キタきつね寸評 |
1位
morningstar SECURITY
■情報量は膨大「どう活用するか」
このサイトは掲載分野が広く、情報量が多すぎる面もあるので、自分の興味のあるカテゴリを中心に使う事が最もお勧めです。
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今年も1位に挙げました。ジャンルの広さ、情報の更新頻度など、英語系のセキュリティニュースとしては最良のまとめサイトです。
私は「Most Popular Security News(最も人気のあるセキュリティニュース)」(一番上)と「Security Blogs(セキュリティブログ)」(下から3つ目)、と「Security in Mainstream Media(主要メディアにおけるセキュリティ)」を主にチェックしていますが、人によって興味が違うかと思いますので、「Malware/APT」「Exploit Dev」「Vulnerabilities」「Tools」といったカテゴリー別の記事をチェックする使い方も出来るかと思います。
■活用メモ(Security Blogs)
時間が無い方にお勧めなのが、有力ソースの情報がまとまっているセキュリティブログ(パート)の記事タイトル俯瞰です。複数のブログで同じニュースが出てきた場合は、”重要ニュース”である可能性が高いので記事をじっくり見る事をお勧めします。
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2位
Security Boulevard
■王道のセキュリティサイト
Security Boulevard(セキュリティ大通り)、名は体を表すの言葉通り、セキュリティ関係者にとって重要なニュースが、更新頻度高く掲載されています。
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当ブログでもっとも海外記事引用数が多かった(※2023年引用記事:1,204)のが、こちらのサイトです。複数の記者(ブロガー)が専門性の高い記事を投稿しており、重要インシデントや規制当局の動向など、セキュリティ業界で必要な情報はほぼ網羅されているといっても過言ではありません。
※海外記事をご紹介する際のレーティング(記事に対する評価★)が高い記事が多かったサイトです。日本のインフルエンサーの方はあまり見てない(情報ソースとして挙げていない)様ですが、個人的にはブックマークを強くお勧めしたいサイトです。
■活用メモ(Security Blogs)
Analytics and Intelligence, Application Security, CISO, Cloud Security, DevOps Security, Incident Response, IoT & ICS Security, Threats and Breaches....とカテゴリー別で記事がまとまっていますので、1位で挙げた「morningstar SECURITY」が使いにくい(肌に合わない)方は、このサイトの気になるカテゴリーだけウォッチするのも良いかと思います。
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3位
BleepingComputer
■質の高い記事が人気
1日の記事数はそれほど多くありませんので、効率的に情報収集されたい方に向いているかと思います。
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今年も3位に挙げますが、当ブログの2023年引用記事数2位(966)の情報収集先として外せない海外ソースです。上記1,2位のサイトと違うのは掲載記事数がソコソコという点です。
大きなインシデント発生時や、主要な脆弱性などは記事になっているので、記事の量(網羅性)よりも質を重視される方はこちらのサイトがお勧めです。
日本の記者さん、インフルエンサーの方々も、記事や講演におけるソース先としてこちらのサイトを挙げる事が多く、プロがウォッチする信頼できる情報ソース先としては上位に挙げられるかと思います。
■活用メモ(Security Blogs)
私は、最新記事を最新日付分(※時差があるので1日ずれている事が多いです)だけチェックしています。最新日付順に記事が並んでいますので、記事チェックにあまり時間がかからない所も魅力です。
※何気に広告宣伝記事も多いのですが、大体タイトルで見分けがつきます。
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4位
Help Net Security
■データ重視の貴方へ
各社の調査統計記事がよく掲載されています。セキュリティの世界では根拠(説得力)も重要ですので、このサイトはそうした論理派の方に向いているかも知れません。
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2023年の海外記事ソースの中で、最も”データ重視”だと感じるのがこちらのサイトです。当ブログの2023年引用記事数3位(845)ですが、他のサイトと比べて調査データ(統計)記事が多く掲載されている印象で、データ重視の方や、根拠データを重視する論理派(ロジカル)な方に向いているかと思います。
■活用メモ(Security Blogs)
気になる海外調査データが記事に挙げられている場合、私は1次ソース先のリンクを辿って、可能であれば元レポートをダウンロードする様にしています。
※記事は日々流れていってしまうものですが、後から調べ物をする際には、こうした地道な努力(レポートをDLする)をしておいた方が後々にかかる時間は節約できる気がします。
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5位
Infosecurity Magazine
■英国視座を鍛えるならココ
世界的な視野を広げるには、米国発信の情報だけでは不足します。このサイトがそれを補う1つになるかと思います。
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こちらのサイトも毎年挙げています(3位→4位→5位)。2023年は引用記事数4位(809)でしたので、今年も改めてご紹介します。
日本の記者さん、インフルエンサーの方々で、こちらのソースを引用される方はあまり見かけないのが不思議なのですが、特に欧州では人気のサイトの1つです。
※infosecurity Magazineと言えば欧州最大級のセキュリティ国際会議+展示会のInfosecurity Europeを主催している事でも知られています。
海外のセキュリティニュースをウォッチしていると、どうしても米国発信の情報を目にする事が多くなりますが、ファイブアイズ参加国(アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア )、中でもサイバー先進国でもあるイギリスやオーストラリア情報は米国発信の情報では出てこないものも多いので、個人的には外せないソースとなっています。
■活用メモ(Security Blogs)
英国(欧州)視点と、米国視点では少し視点が違う場合もあり、そうした”差分”を確認するために、例えば大きなインシデント関連記事を見比べる事をお勧めします。
また、ここ数年、主に中国の脅威アクターのサイバー攻撃によると見られるインシデントが多いオーストラリアが急速にサイバーセキュリティを強化しているので、そうしたニュースをこのサイト経由で拾うのも自身の視座を広げる上で役立つかと思います。
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毎年書いている事ですが、「morningstar SECURITY」が幅広く海外(英語)ニュースを拾っていますので、ここを定期的(可能なら毎日)チェックしていれば、一般的な海外情報の収集に問題は無いかと思いますが、速報性で言えばSNS(X)には叶いませんので、そちらを重視される方は、インフルエンサーやニュースサイト等をフォロワーに入れて情報をウォッチする事も重要です。
※尚、私は米国や英国といった主要セキュリティ関連サイト(一般サイト)の情報発信タイミングを考えると夜~朝が情報の鮮度が良い気がするので、海外(国内)情報は主に”朝”に収集しています。とは言え、(投稿を見ている人も少ない朝なので)全ての海外ニュースを朝に投稿しておらず、速報性の高いものだけ優先的に呟き、そうでも無いセキュリティ記事はタイマー投稿で呟いています。
上記Top5サイト以外では、欧州最優秀ブロガーとして表彰歴が多数あり、ほぼ毎日投稿を続けている「Security Affairs」や、脅威インテリジェンスツールでも著名なセキュリティ企業が運営している「The Record」も記事数(量)はそれほど多くありませんが、質の高い記事をUpしているのでお勧めです。
securityaffairs.com
therecord.media
尚、2023年海外記事引用ソース先を(真面目に)調べた所、以下の結果となりました。上記のご紹介から漏れている所では、6位「DarkReading」や8位「The Hacker News」、12位とランキングは低いですがスパイスの効いた記事が多い「Kaspersky blog」のサイト等も良く記事を拾っています。
※いずれも「morningstar SECURITY」が拾ってくるサイトです
上記の以外にウォッチしているサイトを少し挙げます。
サイト |
キタきつね寸評 |
Daily Dark Web *Xアカウント
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脅威インテリジェンス情報を無料公開しているサイトやアカウントは色々ありますが、こちらのアカウントはランサム関連、セキュリティガイドライン等、情報発信のバランスが取れている気がします。
一般の方にはあまり目の行き届かないDarkWebの情報だけでなく、最近はTelegramを代表とするクリアWebでのリーク発信もありますので、脅威インテリジェンスツールを活用できないと情報のキャッチアップに遅れる事が懸念されますが、こうした無料情報を(他のソースと併せて)活用する事でそうしたリスクは軽減されるものと思います。
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BEN'S BITES(AI関連)
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セキュリティ関係ニュースではないのですが、生成AI(AI)はセキュリティの世界と切っても切り離せないテーマとなっていると思うので、AI関連の(海外)ニュースフィードをソース先として挙げます。
生成AI関連のニュースをウォッチしているサイト(アカウント)は多々あるので他にもっと良いソースがあるかとは思いますが、色々見た中では、こちらの情報掲載は早い様に感じます。
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DataBreaches.net
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通常の巡回先ではないのですが、インシデント調査をする際にこちらの情報を参考している事もあるのでご紹介します。インシデント視点で情報をウォッチしている方には、こちらの方が使い易いかも知れません。
※RSS対応もしていますので、そちらでウォッチするのも良いかと思います。
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2022年2月末にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、多くの人が気づいたかと思いますが、サイバー攻撃は紛争当事国だけでなく「国境を越えて」被害を及ぼしています。
サイバー空間は陸・海・空・宇宙に次ぐ「第5の戦場」と米国国防総省が宣言したのは2011年ですが、その”予言”は現実のものとなりました。こうした状況では、英語や日本語だけでなく、例えばロシア語や中国語、韓国語など、攻撃脅威アクターが使用する言語に近い情報ソースを利用しないと、OSINT(オープンソースインテリジェンス)情報の分析精度は低下する傾向にあります。
私自身は英語・日本語ソースをウォッチするのが精一杯なので、適切なソース先をご紹介できないのですが、特定地域の情報に精通している方や、攻撃を仕掛けてくる国の言語での情報ソースをウォッチし、可能であれば現地ソースの記事と英語記事の「差分」分析を行うことで、より深く背景事情が見えてくるかと思います。
現地ソースを追いかけるのが難しい場合は、海外に目を向けている先駆者(インフルエンサー)を見つけ、その人が普段ウォッチしている発信情報を得るだけでなく、そのソース先を「真似る」ことが効果的です。例えば、日本のトップガンとも称されるサイバーディフェンス研究所の名和さんや、防衛研究所の兵頭さんや、NTTのチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストの松原さんが発信している情報などが参考になるかと思います。
※尚、2023年にセミナーを聴講した中では、ホワイトハッカー(元海外特殊部隊)の大佐さんの情報も勉強になったので下記に参考リンクを貼っておきます。
logmi.jp
www.youtube.com
■インプットで参照している情報源(国内)
国内のセキュリティ関係の情報は、ここ数年早朝のチェックを集中的に行っています。以前はスマホ+RSSで情報チェックをしていましたが、テレワーク中心の生活になってからはPCでのチェックが主体となっています。尚、国内ソースでは網羅性を重視して以下のサイトを巡回しています。
サイト |
キタきつね寸評 |
1位
Izumino.jp セキュリティ・トレンド
■国内セキュリティトレンドはココ
このサイトは情報量が多すぎる面もありますが、一般セキュリティ記事の大半は、ここを押さえておけば見逃す事は無いかと思います。
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今年もここを1位に挙げます。国内セキュリティ関係の(一般的な)情報収集ではここを押さえておけば十分かと思います。
1日に発信されているセキュリティ関連の記事がいかに多いのかを実感するのがこちらのサイトです。情報が次から次へと掲載されるので、毎日きちんとニュースチェックする癖が無いと膨大な情報に流されてしまうかも知れません。
※海外ソースで挙げた「morningstar SECURITY」程に、見やすくは無いのですが情報量(網羅性)を重視される方には外せないサイトかと思います。
※大きなニュースが出ると関連記事が大量に掲載されますので、”それ以外の記事”も見落としてしまう事もありますので、ご留意ください。
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2位
マイナビニュース
■2023年国内記事引用数No1
情報更新が早いサイト。海外記事の情報も多数掲載され、セキュリティ関連ニュース(全体)把握に最適。
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当ブログの2023年引用国内ソース先を詳細調査では1位(※引用記事658)でした。
情報掲載が多く(早く)、海外ニュースサイトの翻訳記事も(比較的早く)掲載されるので、国内サイト中心でウォッチしている方には向いているサイトかと思います。
情報量という意味では1位のIzumino.jp セキュリティ・トレンドに軍配が上がりますが、記事の見やすさも考慮すると、こちらのサイトを評価される方が多いかも知れません。
※国内サイトでは珍しく土日祝も記事が掲載される事が多いのも特徴かと思います。
※海外翻訳記事は、The Registerの一部記事が出るScan Net Securityや、少し尖った記事が多いGigazine、本家では有償ですが日本語版は無償なWIREDにも掲載されます。
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3位
日経新聞
■AI/セキュリティ記事も豊富
多くのビジネス関係者が日常的にウォッチしている事から、”知っていて当然”な情報を把握するのに最適
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当ブログの2023年引用国内ソース先を詳細調査では2位(※引用記事628)でした。
スクープ記事では朝日新聞の印象も強いのですが、一般紙の中では多くのビジネス関係者が購読しているという点で日経新聞の掲載情報も外せないかと思います。
※私はセキュリティ関連の記事(AI含む)が分散している事もあるので、見落としを減らすために、複数のカテゴリページをブックマークしています。
・日本経済新聞 - ニュース・速報 最新情報
・ChatGPT(チャットGPT)とは 最新ニュース・解説 - 日本経済新聞
・テック - 日本経済新聞
・サイバーセキュリティ 最新ニュースと解説 - 日本経済新聞
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4位
piyokango氏のX
■お勧めはTwitter
piyolog(ブログ)が有名ですが、Xアカウントの方がむしろ押さえておくべき”ソース”な気がします。
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piyokango氏のブログPiyologは、多くのセキュリティ関係者がウォッチしていると思いますが、piyokango氏の真骨頂はX(@piyokango)での情報発信である様に感じています。
特にSNS(X)でのセキュリティインシデント関連のニュースリリース発信は国内マスコミより速い事が多く、その時点ではググっても出てこない情報を発信されている事もあり、普段からインシデント情報への感度が高い事がよく分かります。
※Podcastで辻さん、根岸さんらと配信している#セキュリティのアレや、日経XTECHで連載されているpiyokangoの週刊システムトラブル(月間システムトラブル)はセミナー以外でpiyokango氏の”見解”(意見)が聞ける貴重な場でもあります
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5位
ITmedia
■IT関係の総合情報ポータル
掲載記事が多いので、News(速報)、AI、クラウド等個人の興味が強いカテゴリーを中心にブックマークがお勧め
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当ブログの2023年引用国内ソース先を詳細調査では3位(※引用記事444)でした。
普段ドメインで記事を分類しているので、この引用数には複数のサイト(ブランド)が混じっているのですが、IT関連の情報も含めセキュリティ関係の方が目を通しておくべき記事が質・量ともに多いのがこちらのサイトかと思います。
※掲載記事数が多いので、1位に挙げた「Izumino.jp セキュリティ・トレンド」が”肌に合わない”方は、記事ランキングなどを参考にしながら掲載記事を流し見した方が情報収集が捗るかも知れません。
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尚、2023年国内記事引用ソース先を(真面目に)調べた所、以下の結果となりました。上記のご紹介から漏れている所では、ITmediaに負けず劣らず総合的なIT記事が多い4位の「ZDnet」や、面白ネタだけでなく意外にセキュリティ(生成AI)系の記事も豊富な5位の「Gigazine」、カード関連のインシデントもきちんと記事にしてくれる6位の「Scan Net Security」などもありますが、正直に言えば、巡回すべきサイトは個人の”好み”なので、暫く巡回してみて肌に合えば続けるといった姿勢で情報ソース先を決める(見直す)と良いかと思います。
※最も大事なのは継続です。
調査によく使っている便利ツール
最後は、私が昨年よくお世話になった便利なツール/サイトです。
サイト |
キタきつね寸評 |
Wayback Machine
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サイト情報を過去に遡るという事を(無料で)実現できます。2023年も大変お世話になりました。※余裕がある方は寄付を定期的に募っていますので協力してあげてください
この巨大な魚拓サイトは、インシデント調査、あるいは事件リリース等を追いかける際に非常に重宝していて、このサイトが無いと(カード情報漏えい系の)インシデント分析は出来ないといっても過言ではありません。
※サイバーの世界で重要なものの1つに”時系列”(過去からの情報の繋がり)があります。過去のサイトを調べる事で、見えないパーツが出てくる(推測する材料が揃う)事もありますので、色々とこのサイト(ツール)を活用してみる事を推奨します。
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SHODAN
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このツールに限りませんが、Webに公開されている機器の脆弱性は、SHODAN等の自動検索ツールで監視されていると言っても過言ではないかと思います。
攻撃者の手法として、平時に既に「●●社が使っている△ソフトのバージョンが1.00である」といった情報を集めていて、△ソフトの重大な脆弱性やエクスプロイトが出た瞬間に、既に調べていた『バージョン1.00』を利用していた企業リストに攻撃を仕掛ける、といった事をしていると推測されます。
※2023年だとMOVEitの0ディを攻撃したCl0Pがこの手法を採っていたと思われます。
www.techtarget.com
こうした攻撃の進化に対応するには、ホワイト(防衛)側も、攻撃者が使うのと同じ(様な)ツールを使って自社/自組織の脆弱性を”定期的に”チェックする事だと思います。
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DeepL
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翻訳精度が非常に高いので活用できると、英語だけでなくあらゆる言語での読みこなしレベルが上がる非常に優秀なAI翻訳エンジンです。
海外サイトからの情報収集を行う上で、普段のWeb翻訳(記事の基本理解程度のレベル)はGoogle翻訳で十分かと思いますが、ここぞという文章の読みこなしにDeepLを使うと、より理解が深まるかと思います。
DeepLには有償版と無償版がありますが、5,000文字以下の変換であれば無償版でも対応してくれますので、小まめに5,000文字の英語文章を投げて翻訳するといった使い方も含めて、無償版を使いこなすと、仕事の質が高まる事は間違いありません。
※ただし、重要な注意点があり、DeepLの無償版は利用規約で、その翻訳データがビックデータ解析に使われる事を同意する事になってしまいますので、本当に気を付けて下さい。(情報漏えいに繋がってしまう可能性もあります)
※会社等の機微な情報の翻訳は「無償版ではしてはいけない」のであって、文章を匿名化してDeepLに投げるか、そうした際はやはり「有償版」を使うべき事にはご留意ください。
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CLOVA Note公式サイト |
2023年はアルトマンCEO解任騒ぎまで含めてChatGPTの年だったと言っても過言ではないかと思いますが(もはや当たり前すぎるツールだと思いますので今年はご紹介しませんが)、セキュリティとは直接関係がありませんが、AI技術の進展を実感したのはこのAI音声認識アプリの世界も同様です。
英語の文字おこしではOtterが使い勝手が良いと思いますが、LINEが提供するClovaNoteも使ってみて、非常に便利だと感じました。
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※他に使っていて便利だと感じたのは、HTTPヘッダーの評価をしてくれる「Security Headers」や画像の逆引き検索が出来る「TinEye」がフェイク情報が多くなる事が予想される2024年でも活躍しそうですが、ツールではありませんが、人力の「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」やCISAのKEV(悪用された既知の脆弱性カタログ)をはじめとする情報発信には2024年もお世話になりそうな予感がしています。
偉大な先人達へ敬意を表して・・・
当ブログでは、この記事を書く(更新する)のも今年で8回目になります。「情報収集法」という考え方は、私のオリジナルという訳ではなく、日本のセキュリティ業界をリードしていると言っても過言では無い根岸さんとPiyokangoさんが以前に書いていた記事に触発されて書き始めたものです。
下記の元記事は、情報は古くなっていますが、まだまだ多くの方にとって参考になる部分が多いかと思いますので、(まだご覧になってない方は)下記の記事をご覧になる事を強くおススメします。
piyolog.hatenadiary.jp
ukky3.hatenablog.com
情報収集法という訳ではありませんが、トリコロールな猫さんの下記の記事も、参考になるかと思いますのでご紹介しておきます。
security.nekotricolor.com
本日もご来訪ありがとうございました&本年もよろしくお願いします。
Thank you for your visit. Wish your happy a new year.
※石川県能登を震源とする大きな地震が1/1夕方に発生しました。被害に遭われた方々やそのご家族、そして地震の影響を受けている全ての方々に、心よりお見舞い申し上げます。
参考:過去記事
foxsecurity.hatenablog.com
foxsecurity.hatenablog.com
foxsecurity.hatenablog.com
foxsecurity.hatenablog.com
foxsecurity.hatenablog.com
foxsecurity.hatenablog.com
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