Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。諸々のお問合せ(取材、執筆、各種お問合せ等)はフォックスエスタ (https://foxestar.hatenablog.com/)をご覧ください。

将棋はセキュリティと同じである。

令和最初の記事をどうしようかと、少し考えていたのですが、平成を代表する若手棋手、藤井聡太七段のこのコメントを取り上げてみます。

hochi.news

 

 日本将棋連盟は29日、都内で平成回顧イベント「棋才 平成の歩」を開催し、谷川浩司九段(57)、清水市代女流六段(50)、佐藤康光九段(49)、羽生善治九段(48)、森内俊之九段(48)、渡辺明2冠(35)、里見香奈女流名人(27)、藤井聡太七段(16)の8人が出席した。

 約800人ものファンの前に、平成将棋界を代表する「神8」が勢ぞろいしたイベント。8人は令和時代の将棋界がどのようになるのかを予言した

 「カオス」とした羽生九段は「令和はカオス(混沌)の時代になると思っていますので、将棋界もカオスになるのではないかと」と説明した。

(中略)

 森内九段は「会長の奔放な想像力と比べると現実的かもしれませんが…」と前置きした上で「女性棋士の活躍」。いまだに実現していない女性棋士の誕生と活躍に期待した。

 奨励会三段まで昇り、あと一歩で女性初の棋士になる立場だった里見も「女性棋士の誕生」と挙げた。「メディアの方々に将棋を取り上げていただき、将棋を指す女の子も増えています。日本全国、世界中が将棋に触れることで実現することを祈っています」

(中略)

 令和の主役候補NO1の藤井七段は「人間と一度も対局せずに棋士になる人が出てくるのではないかと思います」とフリップに記述。人と人が盤上で研鑽を積むのではなく、徹底的にAIを研究することに特化して力を付ける若年層の台頭を予想し、「ソフトが人間の実力を凌駕するまでになって、令和はどういう時代になっていくのかと思います」と語っていた。

(スポーツ報知記事より引用)

 

◆キタきつねの所感

将棋界の「神8」の予言は、色々と考えさせるものがありました。

 

意外とセキュリティの世界と似ている気がしませんか?

 

例えば、羽生9段の「カオスの時代」。古き良きハッカー達が面白半分でサイトを書き換えたり、マルウェアをばら撒いた時代とは違い、腕試し的な攻撃のみならず、国家支援が疑われるATP攻撃があったり、金銭目的でカード情報や個人情報が売られていたり、オリンピック等のイベントに対する、大規模なIoT機器からのDDoS攻撃、パスワードの使いまわし禁止が未だに叫ばれている状況・・・私は「カオス」の時代に生きている気がします。

森内9段や里見女流名人の言う、「女性(棋士)の活躍」。徐々に色々な記事で取り上げられてはいると思いますが、セキュリティの分野で活躍する女性が、まだまだ少数派の日本の現状は、改善していかないといけない課題と言えるかと思います。

セキュリティ人材が不足!と言うのであれば、もっと女性に魅力があると思わせないといけない部分も、セキュリティ系のセミナーや旗を取って(CTF)遊んでいる方々の「漢くささ」しかない出席者を見ていて感じます。

女性がサイバーセキュリティの現場から取り残されてきた理由 - ZDNet Japan

 

最後は藤井聡太7段の予言。AIを研究して前人未到の29連勝および、昨年度勝率No1を達成した藤井7段だからこその予言なのかも知れませんが、AIを使った攻撃が増加していく中、防御もAI化していかないと・・といった近い未来の業界の課題だけでなく、

2019年はAI悪用のサイバー攻撃が登場--トレンドマイクロ予測 - ZDNet Japan

 

人間と一度も対局せず(腕試しをせずに)に棋士ハッカー)となる人が出てくる、国家が支援している様なAPT攻撃で、事前情報無しに突然0ディ攻撃が実施される。そんな映画の様な攻撃がそう遠くない未来に実現してしまうかも知れない、そんな恐ろしさを感じてしまいました。

とは言え、パンドラの箱最後に出てきたのは「希望」でしたので、悪いことばかり起こる訳ではないかと思います。

令和の時代が希望に満ち溢れて、嫌な空気も吹き飛ばしてくれる、そんな時代になる事を願ってやみません。

 

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更新履歴

  • 2019年4月30日AM(予約投稿)