全銀協が新システムを稼動させ、特にネットでの振込みが便利となるようです。
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全国銀行協会は9日、金融機関の間で送金データを24時間・365日体制で処理するための新システムを稼働させた。これを受け、102行が他行宛て振り込みについて即時入金できる時間帯を土日を含め少なくとも午後9時まで延ばした。このうち、三菱UFJ銀行など64行が24時間対応になる。三井住友銀行は日曜夜から月曜朝までを除き、いつでも即時振り込みができるようになった。
延長時間帯の手続きは、現金自動預払機(ATM)やインターネットバンキングが中心となる。信用金庫と信用組合の多くも即時振り込み可能な時間を延長しており、顧客の利便性が高まる。
(JIJI.COM記事より引用)
◆キタきつねの所感
これだけIT技術が発達している中で、銀行は9時~15時の店舗営業を前提としており、ATMやネットバンクも振込みに関しては翌営業日払いというのが基本でした。古きよき時代のままなクローズな世界の象徴が銀行システムであったといっても過言ではないでしょう。海外銀行ではクレジットとデビット(キャッシュ)網が同じであったりもあるのでしょうが、日本とは違い即時決済に近い運用が普通だと思います。
今回の件、まずはネットバンクの振込み辺りからサービス改善が行われるのかなと思いますが、便利になる反面、セキュリティ面での懸念を考えると、『犯罪は確実に増える』と思います。
それは、海外のニュース記事でたまにみかける、深夜にATMをぶち壊すギャングなどの物理的攻撃もありますが、今までは振り込み時間の時差があったので止められていた、振り込め詐欺を止める事が出来なくなるかも知れませんし、今年も発生したSWIFT(国際銀行間送金)詐欺の様な事件も、日本を狙ってくる攻撃が増える可能性もありそうです。
銀行が振り込み等の24時間運用に向かうならば、今までと同じセキュリティ、それではきっと駄目なのだろうと思います。いわゆる護送船団で守られてきた地方の金融機関は、メガバンクなどと比べて新たなリスクへの対策が遅れる傾向が強いといわれており、きっと脆弱点をハッカーに狙われるだろうな・・・と思います。
もう1点の懸念、24/365を元々前提としてシステムや運用を考えてこなかった銀行業界では、恐らくメンテナンスでシステムを安全に止められる時間が減ってしまう事になる気がします。IT保守には影響が出るのではないでしょうか?時間が減らされる分、例えばパッチ当てタイミングも難しくなるでしょうし、時間に追われてミスも出る。そんな近い将来の姿が目に浮かびます。
私は流石に15時までの振込み受付が、正しいとは思いませんが、銀行横並びで24/265運用を目指すのもどうかなと思います。『安全重視なので、夜の10時以降は振込み受付だけです。』こんな金融機関があっても良いのではないでしょうか?
ヤフオクなどで入金するときに便利だろうな・・・とは思いますが、夜間の入金が出来たとしても、相手側の入金確認(相手が寝ているケース)などもあります。ApplePayへの銀行からの入金・・・まぁ便利でしょうが、クレジットカード利用という代替手段もありますので、、私はそんなに24時間の便利さは必要ないかも知れません。
こうしたサービスにより、銀行の運用コストは確実に上がる訳で、手数料などが高くなるのだと思います。だとすれば、その上昇する運用コスト分を別なサービス、あるいはセキュリティ対策に向けてくれる方が、個人的には嬉しいかも知れません。
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