興味深いロイターの記事でした。日本での新型コロナ禍は、ダイヤモンド・プリンセス号から始まったと言っても過言ではないかと思いますが、クルーズ船が現在どこにいるか、MarineTrafficで見ると意外な所で固まっている事がわかります。
jp.reuters.com
[13日 ロイター] - ここ数週間、フィリピンのマニラ湾は世界最大の「駐船場」になっている。停泊しているのは大量のクルーズ船。客は一人も乗っていない。
船の数は20隻以上、その総重量は200万トンにもなる。客船には総勢5300人以上のフィリピン人スタッフが乗ったまま。再びクルーズ船の仕事にありつけるかわからない中で、新型コロナウイルス制限措置の隔離期間が終わるのを待っている。
新型コロナウイルスの影響で飛行機は減便、渡航は制限された。複数の客船で集団感染が起きたこともあり、クルーズ船業界は事実上の停止状態にある。運航会社は、数百人のクルーを乗せたまま巨大な客船を停泊できる場所を世界中に確保しつつある。
(ロイター記事より引用)
キタきつねの所感
先週のロイター記事より下図を引用しますが、まず気になったのが日本に3隻停泊している点でした。Marine Trafficで調べてみると、
まず、横浜の大さん橋に飛鳥IIが停泊しています。
郵船クルーズのHPを見ると、4月1日から停泊している様です。既に7-8月のクルーズが中心になっていますので、このまま暫く大さん橋にいるのかと思われます。
もう1隻は大阪に居ました。ぱしふぃっくびーなすが停泊しています。
びいなすクルーズのホームページを見ると、6月までのクルーズは中止となっていますが、7月のクルーズは予約を受け付けている様です。
3隻目は長崎に居ました。船員の集団感染が注目を浴びたコスタ・アトランチカです。
一時期は長崎の医療崩壊を招くかも知れないと、長崎県や三菱重工が、何故修理を受け入れたのと話題となりましたが、陽性だった乗組員の再検査(減少)や帰国が続いており、感染爆発まで至らずに収束しそうです。
長崎港コスタ・アトランチカ 21日も19人帰国へ(長崎文化放送) - Yahoo!ニュース
さて、ロイターの記事では、マニラ沖に豪華客船が(1週間前は)固まって停泊しているとあったので調べてみたのですが、日本を5月16日に横浜を出港してマレーシアに向かうとされていた、「ダイヤモンドプリンセス号」はマニラ沖に居ました。
「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港を出港 マレーシアへ | NHKニュース
ダイヤモンドプリンセス号の停泊しているのはマニラ湾外(濃青が豪華客船)ですが、湾内にはさらに多くの船(濃青)が固まって停泊している事がわかります。
因みに、ダイヤモンドプリンセス、パシフィックプリンセス、マースダム、ウエステルダム、ノールダムと、この海域にはプリンセスクルーズ社と、ホーランドアメリカラインと、船籍は違いますが、運航2社は米国のクルーズ会社です。
マニラ湾の中は、約20隻の豪華客船が停泊している様です。
余談ですが、飛鳥IIで872人の定員です。ダイヤモンドプリンセスでは2670人にもなります。数千人が船内に3密で滞在するので、どうしても船内感染リスクが高くなってしまうのですが、乗客サービスに関係が無い必要最小限の乗組員だけであれば、陸上での病室隔離よりも案外3密にならずに滞在できるのかも知れません。
豪華客船クルーズは、アフターコロナで客足が戻るのに非常に時間がかかると思われますが、第2波、第3波とコロナの影響が広がった時には、(しっかりとした感染対策の上で)2週間隔離プランが売りになる、そんな冗談の様な事が起こりえるかも知れません。
どうやら現在の流行は南米の様です。
南米が新型コロナ感染の中心地、ブラジルが最も影響=WHO - ロイター
第2波、第3波が懸念される中、クルーズ船(豪華客船の旅)がアフターコロナでどういった方向に向かうのかも気になる所です。
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