スターバックスのドリンクチケットで偽造券が出回り、中国籍の容疑者夫婦が逮捕された様です。
mainichi.jp
逮捕容疑は3月下旬、偽造ドリンクチケット1431枚を中国から自宅に国際宅配貨物で発送し、密輸入したとしている。
大阪税関関西空港税関支署の職員が発見。鑑定で偽造券と判明した。逮捕は6月3日。2人とも容疑を認め、**容疑者は「中国の知人に依頼して偽造ドリンクチケットを輸入し(これまでも)日本で販売した」と話しているという。
門司署や門司税関によると、2人は以前から同様の手口で偽造券を輸入し、インターネット上で販売していたとみられる。中国の知人に券の情報を送るなどしており、券の偽造段階から関わっていたとみて調べている。
キタきつねの所感
今回偽造券被害が出ているのは、2012年以降に発行されたドリンクチケット(コミューターマグクーポン)の有効期限が「無い」タイプが狙われた様です。
タンブラーを買うと中に入っているドリンクチケットで、セキュリティ対策の1つとして裏面に店舗印が押されているかと思いますが、店舗印は発行店ならともかく、別な店舗ではその印影が正しいかどうか判別するのが難しいと思いますので、偽造ドリンクチケットが出回ったのはその辺りの事情もあるのかも知れません。
現在のドリンクチケットは有効期限が設定されている事を考えると、制約条件が緩い旧仕様のチケットが狙われたと考えても良さそうです。
今回”狙われた”ドリンクチケットは印刷ですので、見本データがあればそっくりなものを作るのは、今のご時世、あまりハードルは高くないかと思います。
国内の印刷会社ではスターバックスの偽造券と分かって作業を請け負う会社は(ほぼ)無いと思いますが、身分証を含め、様々な”偽物が販売される”中国では、こうした偽造に加担する会社もある、他の”金券”を発行している事業者も留意すべき点です。
ヤフオクを見ると・・・同タイプのドリンクチケットはそこそこ出品されています。
スターバックスのタンブラーを収集する方が出品しているケースもあるかと思いますが、リサイクル屋さんでも未使用のタンブラーを見かける事もありますので、タンブラーを販売に出す前に店舗側がチケットを”抜き取る”事によっても、こうした出品が成り立つ気もします。
しかし、ヤフオクで調べてみると、1か月で数十枚を販売する”異常”な取引履歴を持つ方もいる様です。
この出品者は、まだドリンクチケットを出品しているので、逮捕された容疑者夫婦とは違う可能性がありますが・・・
匿名出品の発送元を見ると、福岡県(※容疑者夫婦を逮捕した所轄警察が福岡県門司署)。もしかすると落札しても”商品が発送されない”状態かも知れません。
※正規チケットの出品者かも知れません事を御断りしておきます。もしこの手の商品の落札を考えている場合、出品者に(入手経路・・は答えてくれないと思うので、せめて使えない場合の返金等を)事前に問い合わせる事も防衛策として有効かと思います。
※過去の落札者が”悪い評価”を後から付けていない点は少し気になります。店舗で使えないと言われたとすれば、非常に良い⇒悪いに評価を変える方が多いのかと思いますが、この出品者に関してはそうしたコメントは確認できませんでした。
正規のルート以外で入手されたチケット以外は、当然の事ながらスタバは保証しないスタンスですので、有効期限の無い格安のドリンクチケットに飛びつく前に、その出品者の取引履歴等をよく確認する事をお勧めします。
同社は「店舗およびオンラインストア以外で入手されたドリンククーポンについては、一切保証いたしかねる」と偽造券への注意を呼びかけている
(毎日新聞記事より引用)
余談です。スターバックスは2012年以前に偽造チケットが出回って、チケットを廃止しています。それ以降発行されたのが、今回偽造チケットが出ている以下のデザインです。
現在スターバックスジャパンの公式HPからはリリースが消えていますが、魚拓サイトにリリース記事が残っていたので引用すると、当時の古いドリンクチケット(使用期限無し)を使用期限設定する(郵送で新しいドリンクチケットに交換する)措置を採った様です。
※とは言えFAQを見ると、現在も利用できる様ですが・・
現在公式HPにそうしたリリースは確認できませんが、今回の件での影響が大きければ、同様な対応になる事も考えられますので、ヤフオク・メルカリ等のオークション等で古いドリンクチケットを(複数)”入手”する事を検討している方は十分に留意ください。
※因みに2012年以前の、恐らく偽造が出たチケット(これ以外のタイプもある様ですが)は以下の様なものだった様です。
少し疑問に思ったのが、前回の偽造チケット騒ぎの際に、スターバックスは(有効期限を設定しなかった事以外に)偽造対策しなかったのか?という点ですが、ヤフー知恵袋を見ると(※この情報の真偽の程は分かりませんが)、対策はしていた様です。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
※ブラックライトと書かれているので、蛍光系インクかと推測します。
※この対策が破られていたかどうかまで、今回の毎日新聞の記事には書かれていません。
尚、現在も緑のチケットや、今回被害を受けたチケットも店舗利用が可能な様です。スターバックの(古い)顧客を大事にする姿勢は素晴らしいとは思いますが、セキュリティの観点では、有効期限制限を設けずに2012年以降発行の古いチケットを残しているが為に、偽造ドリンクチケットを”製造”させる隙を作ってしまっている気がします。
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