アンチウイルス対策ソフト、マカフィー(McAfee)の創業者であるジョン・マカフィーがスペインの勾留施設で自殺したと報じられています。
www.coindeskjapan.com
ジョン・マカフィー(John McAfee)──ソフトウエア業界のパイオニア、元大統領候補、暗号資産起業家にして報酬を受け取って暗号資産を宣伝した男──は、波乱万丈の人生を送った。
彼は自身の名を冠し、莫大な富をもたらしたセキュリティソフトウエアと同じくらい、ドラッグ、女性、銃が盛りだくさんのエピソードで知られている。だがコンピューターの歴史において極めて重要な人物だった彼の暗号資産における足跡は、失敗したプロジェクト、守られなかった約束、詐欺まがいの行為によって汚された。
それでもマカフィーは100万人以上のツイッターフォロワーを抱える、ある種の象徴的存在だった。彼は6月23日、スペインの勾留施設で死亡している姿が発見された。
キタきつねの所感
ジョン・マカフィーは、コンピュータセキュリティを切り拓いた先駆者でした。
彼の辿ってきた道には、ウィルスや暗号通貨といった”最先端”な分野で大きな足跡があるだけでなく、元米国大統領候補という顔もあり、その賛否はともかくとして、稀代のインフルエンサーであったと思います。
波乱に満ちた彼の人生の最後が、米国への容疑者引き渡しが承認された日に閉じられた事が残念で仕方ありませんが、(国家)権力を嫌っていたジョン・マカフィーが、米国の裁判での脱税判決が確定すれば30年近く刑務所に収容される可能性があったので、75歳だった彼の、刑務所で人生を終わる(であろう)事に対する”最後の反抗”だったのだと思います。
英語ですが(英語が分からなくてもほぼ内容が分かります)、彼が”ぶっ飛んでいる”所がよく表れている有名な動画がありますので、ご紹介します。
※McAfeeは2011年にIntelが買収しているので、このビデオが公開された2013年には彼はソフトとは関係が無かった頃かと思います。
www.youtube.com
短編映画の様な動画ですが、 アンチウイルスソフト、ドラッグ、女性、銃・・と様々な彼の数々の逸話があるエッセンスが全て詰まっているとも言えます。
マカフィーは国家権力を徹底して嫌い、2020年にスペイン警察に拘束されるまで、さまざまな国の警察当局に追われていた。2018年には「暗号資産コミュニティに最も良く仕えるため」に米大統領選に出馬。選挙運動の大半を公海上で行った。大統領選への出馬はこれが2度目だった。
スペインの司法当局によると、自殺の可能性が高いという。遺体が発見される数時間前、スペインの高等裁判所は暗号資産関連も含む脱税容疑でのアメリカへの身柄引き渡しを承認していた。
マカフィーは、テネシー州とマンハッタンで、税関連の犯罪容疑と、暗号資産から得た収入を開示しなかった罪で指名手配されていた。また、2014〜2018年に講演やドキュメンタリー番組への出演で得た収入を開示しなかった罪にも問われていた。
米証券取引委員会(SEC)は3月、2300万ドル以上の暗号資産収入を隠蔽したとして、マカフィーを告発。最大30年の懲役刑を受ける可能性があった。
(Coindesk Japan記事より引用)
彼の名を冠した「McAfee」ウイルススキャンソフトは今でも有名ですが、BBCの関連記事を読んでいて、驚くべき事実を知りました。
コンピューターセキュリティーの先駆者であるにも関わらず、過去のBBCの取材では、自社製品も含めセキュリティーソフトを使ったことがないと認めていた。
2013年にレオ・ケリオン記者が行ったインタビュ-で同被告は、「定期的にIPアドレスを変える、端末と自分の名前を関連付けない、ウイルスをもらうようなサイトにはいかない、こういったことで自分を守っている」と語った。
「たとえばポルノサイト、そういうところには行かない」
(BBC記事より引用)
良くも悪くも、彼は生きる伝説でした。
ご冥福をお祈りします。
本日もご来訪ありがとうございました。
Thank you for your visit. Let me know your thoughts in the comments.
更新履歴