Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

ウォーキング・デットの情報漏えい対策

12月26日の海外ドラマナビに『ウォーキング・デッド』の情報漏えい対策として非常に興味深い記事が載っていたので、つぶやいてみます

dramanavi.net

本シリーズはプリントされた脚本がキャストに渡されるのではなく、番組専用に作られたアプリを通して、各自が演じるパートのみが書かれた脚本が送られてくるのだとか。アプリを開くには、それぞれのキャストが専用のパスワードを打ち込む必要があり、ログインして初めて台本が読める仕組みになっているのだという。

今までにカランは完全な脚本を読んだことがなく、キャストが役作りに事足りる分量の内容しか知らされないと明かしている。これは彼だけでなく他の出演者も同じで、脚本の内容が丸ごとネット上などに漏洩しないための対策だとのこと。

技術仕様書の開示で、限定者のみに情報を配布する、あるいは誰から情報が漏れたか追跡できるようにしたシステムを見たことはありますが、流石に人気ドラマシリーズだけあって、脚本が外に漏れないようなこうした対策は他業界でも参考になるところがありそうです。

必要な人のみに、必要な権限だけを与える、というのは権限管理の原則です。台本が電子管理をしているのだとすると、次は専用パスワードを何とかして盗み取る(監督のであれば全ての脚本が見れそうですので)事を考えるのかと思いますが、そうした脆弱性が突かれそうになったら、生体認証のシステムに進化してそうな気がしますね。

 

もう1点、こうした対策もいまや必要なのかと気づかされたのは、

近年は、ロケ地を探し出したファンやパパラッチがカメラを搭載したドローンを飛ばして、ストーリーの展開や出演キャストを突き止めようとするケースもあるとのこと。

 

望遠カメラやドローンのカメラで関連情報(キャストやストーリー展開)を盗み取ることも対策が必要だとは・・・。ドローンは撮影現場にジャミング電波、、、その先の漏えい対策は、ディズニーランドのスターツアーズの様に、複数のエンドシナリオを撮って、最後に公開する映像を決める・・・といった対策も出てくるのかも知れませんね。

 

映画監督のイラスト

 

更新履歴

  • 2017年12月28日 PM(予約投稿)