Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

空港がドローンで止まるのであれば・・・

ドローンは、安上がりな空港サービス妨害攻撃として事例を重ねつつあるようです。英国に続き、ドイツでも未確認ドローンの被害が出ました。

jp.sputniknews.com

 

フランクフルト空港の南側の滑走路の上をドローンが飛行しているのが目撃され、安全確保のため約1時間離着陸が停止された

離着陸が停止されたのは現地時間7時30分頃(日本時間14時30分頃)。警察がドローンの行方を捜査し、ヘリコプターも出動したが、結局ドローンは見つからなかった。空港の発表によると、9日に予定されていた1500便のうち約70便が欠航または遅延した

今回の出来事を受け、ドイツの空港のドローンに対する脆弱性が指摘されている。ドイツの空港には、例えば英国で使用されている軍事的な検知および妨害システムが今のところ設置されていないという。

(Sputnik日本記事より引用)

 

◆キタきつねの所感

ロンドンで空港が大混乱となったのが、昨年12月、同じように未確認ドローンが空港エリアに侵入し、空港が24時間閉鎖されました。日本の空港は・・・東京五輪関連での攻撃でも警戒すべきかも知れません。

japan.zdnet.com

 

日本では、ついこの間の5/3に皇居周辺で複数の未確認ドローンが目撃されていますが、2015年4月に首相官邸屋上で未確認ドローンが見つかった事を契機に2016年に成立した、ドローン法改正案では、首相官邸や国会議事堂、原子力発電所、飛行場など重要施設上空の飛行が制限されています。
www.sankei.com

 

警視庁は27年12月、網で不審機を捕獲する大型ドローンなどを装備した「無人航空機対処部隊」(IDT)を発足。さらに今年、妨害電波で飛行を不能にするジャミング(電波妨害)装置も導入し、一連の皇室関連行事でも配備した。

しかし、不審機は目視などで確認するため、夜間は発見が難しくなるとされる。捕獲やジャミングの装置も高度、スピード、範囲などの面で限度があるとされ、警察関係者は「一定の高度にある不審機の接近を完璧に防ぐことは困難」と漏らす。

産経新聞記事より引用)

当然皇居エリアも対象だったと思うのですが、大型ドローンで捕獲する手法も目視が前提であったり、ジャミング装置も常時使用されている訳でも無い様ですので、まだドローン対策は試行錯誤な面もある様です。

 

更に言えば、日本でGPS規制などでいくら飛行禁止をドローンに強制しようとしても、国内製のドローンであれば抑えきれるかもしれませんが、(一部の)海外製ドローンは対策が難しい気がします。

各国で規制内容が違う(例えば利用周波数が違う)ケースもあり、国内の重要施設であっても飛行ができる、あるいは自動運転ができてしまう海外製ドローンを持ち込んでしまえば重要施設を(一時的な)サービス不能に追い込む、そんな危険性はまだ残っている様に感じます。

 

参考:東京五輪でのドローン攻撃 - Fox on Security

 

 

※ちなみに、各国のドローンへの規制は以下の所を見ると結構わかりそうです。(主に海外側から見た持ち込み規制ですが・・)規制側は、こうしたサイト情報なども俯瞰するべきかと思います。

www.google.com

 

 

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更新履歴

  • 2019年5月12日PM(予約投稿)