Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

逃げる容疑者はどこに?

大阪府警富田林署から”脱走”した樋田容疑者、記事を書いている8/25時点ではまだ見つかっていませんが、どこに居るのでしょうか?

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◆キタきつねの所感

まだ逃走が出来ている事について(どうして逃走が成功しているのか)興味深いものがあります。もし樋田容疑者が捕まれば、色々と経緯話が出てくると思うので、それを知りたいのではありますが、、なかなか捕まりませんので、少し考えてみます。

まず追跡する大阪府警側から考えると、一番きついのが、時系列(足取り)が途絶えている事ではないでしょうか。

 捜査関係者によると、逃走から数時間後の13日未明、実家のある同府松原市内の防犯カメラに何かを食べながら歩く樋田容疑者が映っていた。近くで黒いバイクを盗み、大阪市内でひったくりをした後、再び戻ってきた際の映像とみられる。
 同容疑者が逃走後に関与したとみられるひったくりは計5件。捜査を警戒したのか、現金だけ盗み残りはすぐ捨てたり、携帯電話をトラックの荷台に投げ込んで所在地をたどれなくしたりと、慎重な行動を取っていた。
 盗んだ現金は総額4万円余で、14日を最後に1週間以上新たな犯行はなし。盗んだ金をほそぼそと使って潜伏しているか、知人にかくまってもらっている可能性が高い

時事ドットコムニュースより引用)

バイクを盗み、ひったくりを何度も行っていた方が、警察は足取りを掴みやすかったと思います。ひったくる=物理的な場所が分かるわけであり、周辺場所の防犯カメラ映像を分析する事で、徐々に潜伏している場所や立ち寄り先を絞り込みが出来ますので、捜査リソースの集中も容易です。

一方、大阪府警にとって不幸だったかも知れないのが、4月に起きた松山刑務所から脱獄事件です。(一般的な)警察の捜査のやり方であったり、逃げる際に防犯カメラを分析する手法がマスコミや、公式発表などによってかなり詳細に表に知れ渡ったのは、逃走を図る上で大きなヒントになってしまったかも知れません。

foxsecurity.hatenablog.com

大阪と愛媛(広島)では地理的環境が違う部分もあると思いますが、もし知人にかくまって貰ってなく、単独で逃げているとするならば、恐らく、こうした情報を活用して、その裏をかく逃げ方をしているのではないでしょうか。

また、ひったくりで入手した携帯電話を操作かく乱目的でトラックの荷台に投げ入れたり、現金以外はすぐ捨てたりする所、そして1週間も大阪での動きが把握できてない所から考えると、(捜査監視のきつい大阪府ではなく)私は、既に他県に逃げている可能性が高い気がします。

 

 同容疑者が逮捕前、知人の名義で契約したガレージを生活や盗品保管の拠点にしていたことも判明。捜査本部はひったくり後に松原市内に戻ったのは、土地勘を生かし、知人の支援を得る目的とみて、交友関係の洗い出しや空き家捜索を重点的に続けている。

時事ドットコムニュースより引用)

 

大阪で空き家や空きガレージに隠れている、という事もあるかも知れませんが、ライフライン(ガス・水道・電気)の問題もありますし、そもそも食料の問題から、どこかで食料購入を図る必要が出てくるので、特に大阪市内・府内であれば、警戒している店舗従業員に見つかってしまう可能性は高いかと思います。

無人自動販売機を使うとしても、盗難防止で監視カメラなどを付けているケースもありますので、慎重な容疑者が、こうしたリスキーな選択を取るとはあまり考えられません。

と・・考えてくると、捜査当局と同じ推論ではあるのですが、”知人が関与している”可能性が最も疑わしいかなと思います。知人が(大阪府内の)部屋に匿っている、又は、他県の拠点に知人の自動車で移動している気がします。

 

脱獄のイラスト

 

更新履歴

  • 2018年8月25日PM(予約投稿)