個人情報保護は世の流れとは言え、個人が特定できない情報まで管理対象が拡大していくと、色々な面で混乱が出てくるかも知れません。
www.security-next.com
タクシーの配車アプリを提供しているJapanTaxiは、個人情報保護委員会より指導を受けたことを明らかにした。
同社によれば、問題とされたのはタクシーの車内に設置している広告配信用タブレットのカメラを利用した乗客の性別推定機能。一部メディアの報道を受け、状況を説明した。
表示する広告の内容を変更するため、顔画像を取得、性別を推定していたもので、これに対し個人情報保護委員会より、カメラの存在や利用目的の通知が不十分であるとの指摘があり、是正が求められたという。
(Security Next記事より引用)
■公式発表 当社に関する一部報道について
◆キタきつねの所感
海外ではGAFAなどの企業に対し、本人同意ない情報利用が厳しく問われる、GDPR判例も出ていますが、日本でも厳しい判断が規制当局から出てきたなという印象です。個人情報に紐づくデータ保存をせず、その場で推定する事でも、本人同意を取る必要があるのだというのはもっともな話ですが、この指導に対するJapanTaxiの改善策が、なかなか厳しいものがあります。
4月より乗客に対してタブレット上で説明を行う機能を追加する予定
(Security Next記事より引用)
(恐らく・・・)広告配信のタブレットにYES・NO(同意)ボタンを付ける・・・あまりスマートでは無い気がします。
JapanTaxiの運用では、広告配信後に顔画像を削除していた様ですし、位置情報や顧客情報との紐づけも行ってなかった様です。つまりビックデータ分析や個人の追跡(トレース)が出来る運用ではなかった、個人情報漏えいのリスクは少なかった事になりますが、これでもNG・・と少し厳しめな判断が出たなと思います。
例えば、JRをはじめとする鉄道各社も定期券などと紐づいた出改札での個人情報を持っている訳ですが、広告とはみなされないとは思いますが、”定期券は●日後に切れます”といった個人向けの情報は改札機に表示されます。この件について、定期券購入時に同意したかな・・・と考えると、私は記憶にありません。
この記事を読んで更に思い出したのが、デジタルサイネージ型の自販機です。こちらの方が随分前にカメラで性別・年齢推定機能をつけて商品推奨(レコメンデーション)を実現していたかと思いますが、こちらは同意・・・対応済なのでしょうか? 私は飲料を買う時に同意ボタン等を押した記憶がないのですが・・・
news.mynavi.jp
少し調べてみると、パルコも広告配信ではありませんが、来客情報をAI分析して販促に使うのだとすれば、
ひっかかってしまう可能性も出てくるのでしょうか?
messe.nikkei.co.jp
更に言えば、監視カメラでは年代性別が判別可能な機種は大分前から出ています。これも(監視対象の方に)告知義務がある?となると、色々と面倒な事になってくるかも知れません。
www.tbs.co.jp
いっその事、AIでの顔画像分析は禁止・・・とでもガイドラインを出してくれた方が混乱しなくて良いのに・・と愚考してしまう指導内容でした。
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