Fox on Security

セキュリティリサーチャー(インシデントアナリスト)で、セキュリティコンサルタントのキタきつねの独り言。専門はPCI DSS。

「想定外」を想定する

昨年10月の台風19号が大きな被害を各地にもたらしてから、まだ1年経ってない事に驚くばかりですが、新型コロナ禍を考えると「想定外」を「想定内」にする企業の動きが活発になりそうです。

news.mynavi.jp

JR東日本は27日、長野新幹線車両センターをはじめ、今後浸水が想定される鉄道施設や車両の浸水対策について発表した。2019年10月に発生した台風19号の影響により、北陸新幹線長野新幹線車両センター構内の施設や新幹線車両が浸水するなど、各線区で鉄道施設等が甚大な被害を受けたことを受けての対策となる。

(中略)

長野新幹線車両センターを除く鉄道施設については、洪水等で浸水した場合に故障して列車の運行ができなくなる設備を対象とし、設備の重要度に応じた対策を設備ごとに検討している。かさ上げや止水板の設置等のハード対策、予備品の確保や代替設備の活用といったソフト対策を計画的に講じていく。ハード対策を検討している対象は現時点で最大約400カ所程度を想定しており、今後精査していく。

マイナビニュース記事より引用)

 

公式発表(JR東日本

 

 

キタきつねの所感

北陸新幹線が水没している写真を覚えていらっしゃる方も多いかと思いますが、下記のNHK記事の写真が分かりやすいかと思います。完全に車両が水没した訳ではありませんが、点検車庫内を含め、合計10編成(120両)が水没して廃車となった様です。

これは北陸新幹線で当時運用されていたE7(W7)系編成の1/3に当たります。

www3.nhk.or.jp

 

新幹線の1車両の価格は約3億円と言われていますので、単純計算で360億円の被害が出た事になります。大雨による浸水被害は想定外のは仕方がなかった事ではありますが、今回JR東日本が発表した対策案の内容から考えると、別な場所に車両を逃がしておけた可能性はあった様に思います。

当時は車両避難の判断となる材料が無かった、あるいはその為の運転手が確保されてなかったのかも知れませんが、ある程度の大雨(川の氾濫警報)段階で、臨機応変に車両避難が出来ていれば、これほど大きな被害にまでは至らなかったのかと思います。

 

一方で、新型コロナ禍を受けて、企業でのBCP(BCMS)の考え方も「想定外」の事ばかりが起こりましたので、社内規定を見直す動きが活発になりそうです。

ここは、本業のセキュリティコンサルとしても、色々と顧客企業のお手伝いしないといけない事が出てくるのかなと思っています。

しかし、それには、日本だけでなく、他国も含めて発生した事、問題となった事、そして工夫されてきた事を見聞きし、客観的な情報に基づいて「想定外」を想定していく事が重要だと考えています。

 

新しい日常なるものが、どう変わっていくのかは分からない事が多いのですが、多くの方が既に言われてますが、「前の生活には戻らない」のは、その通りでないかと思います。

だとすれば、先々に想いを巡らせ、模索した事は決して将来の自分にとって無駄ではない、そう信じて前に勧めたらと思います。

 

 

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 金の斧と銀の斧のイラスト

 

更新履歴

  • 2020年5月28日 PM(予約投稿)