1月6日にトランプ派が米連邦議会議事堂に乱入した事件は、良くも悪くもトランプ大統領4年間の終幕を印象付け、ハリウッドの映画を見る様でした。この暴動を受けての対策記事が出ていましたので取り上げます。
dcist.com
陸軍長官ライアン・マッカーシーは本日、フェンスが少なくとも今後30日間は米国議会議事堂を囲むと述べた。フェンスは水曜日の建物での暴動に続いており、トランプ大統領の支持者が大統領エレクトのジョー・バイデンの勝利の証明を停止することを期待して、治安部隊を通り抜けて議会の部屋や事務所に押し寄せた。
高さ7フィートの「スケーラブルでない」フェンスは、コンスティテューションアベニューからインデペンデンスアベニューへ、ファーストアベニューから国会議事堂前の池の近くまで行きます。
スケーラブルでないフェンシングとは、フェンスに足場として機能するのに十分な大きさの穴がないことを意味しますが、上半身の強度が強い人は、7フィートのフェンスを飛び越えて引き上げる可能性があります。フェンスの主な目的は、人々がその地域に入るのを遅らせたり阻止したりすることです。
（Dcist記事より引用）※機械翻訳
キタきつねの所感
トランプ大統領の「選挙は不正」と主張する、最後の「切り札」が支持者を連邦議会に向けてデモ行進させる（暴動を起こさせる）事だったのだとすれば、暴徒が一時議会に乱入してバイデン次期大統領の当選を確定させる議事進行を妨害するという「小さな成功」を見せたにものの、結果として味方であるはずの共和党のペンス副大統領や議員も離れていき、政治的には「大きな失敗」に終わったと言えます。
※英語では切り札の事をTrumpとも言います
議会に乱入する所までは成功しているので、18世紀のフランスであれば革命は成功したのかも知れません。しかし乱入してもそこには「悪い王様」はいなかったので、事件後に再開された議会では、トランプ大統領が期待していたであろう「大統領選挙の結果が確定」しました。
改めて暴動のニュースを見ると、ここまで侵入を許してしまうと（銃を使わない場合）大概のセキュリティ対策は役に立たない事が分かります。連邦議事堂の従来のセキュリティ対策であるフェンスや人の壁は圧倒的な人数差により破られ、暴徒の議事堂への侵入を防ぎきれていません。
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まさか現役大統領（本来は味方のトップ）がデモを扇動するとは思わなかった・・・という「想定外」は仕方がないにせよ、日本でそうしている様に警察や機動隊の車の壁で暴徒を防ぐ、あるいは遅延させている間に警備を強化できなかったのは、この暴動を成功させてしまった要因の１つだった様です。
暴動を受けての新大統領就任式までのセキュリティ強化策（の１つ）として、 フェンスを高くする（約2.1ｍのフェンス設置）工事が始まったと冒頭の記事に書かれていました。
新たに設置されたフェンスは網目が細かく、足を入れるとっかかりの無いタイプなので少人数の侵入者には極めて有効な侵入防止対策かと思います。「暴徒」レベルだと遅延策にしかならない気もしますが、目に見えて境界線が強化されそうです。
※Dcist記事より引用
新フェンス設置の記事はいくつか出ていたので、こちらを流し見していたのですが、従来のフェンスは・・・あまり役に立っている様に思えない場所もある様です。
新フェンスの奥が、従来フェンスだと思われますが、工事の男性でも簡単に乗り越えられそうな高さ（推定1.2～1.5m）です。
※NBC News記事より引用
フェンスは連邦議事堂、隣接する図書館、最高裁判所の周囲を取り囲む様（周囲およそ4km）に少なくても1か月設置され、境界線防御を強化する様です。
連邦議事堂へのデモ隊侵入の成功は、まもなくホワイトハウスの新しい主となるバイデン次期大統領に、サイバーだけでなく「物理セキュリティ」の重要性も強く印象付けた気がします。
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