東京都の感染防止ステッカーが貼られた店からクラスターが発生したというニュースが出ていました。
www.asahi.com
東京都江戸川区のフィリピンパブで、客ら計8人が新型コロナウイルスに感染した。同店は感染防止に取り組んでいることを示す、都の「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示していたが、それでもクラスターが発生した。店側の対策に頼る限界がにじむ一方で、入手が容易なステッカーの効果を疑問視する声もあがっている。
このフィリピンパブは「マヨン2」。地下鉄西葛西駅に近い、飲食店が集まる一角にある。区保健所によると、60代の利用客の感染が判明。濃厚接触者を検査したところ、店の従業員7人の感染が判明した。
（朝日新聞記事より引用）
キタきつねの所感
小池都知事が実効的な対策を出さずに、フリップ芸人化している事については言うまでもありませんが、効果がある施策として出された「感染防止徹底宣言ステッカー」は、どうやら性善説を当てにしただけのものだった様です。
※都知事が記者会見で言う様に、お店を利用する客の意識、接客する女性のフェイスガードを取れと要求する事も如何なものかとは思います。しかし本来そうした会話を楽しむお店である事を考えると、感染防止策が徹底されない可能性は高い事を承知で緩和した都の方がもう少し考えた方が良い気がします。
ステッカー発行後に、その店が運用を正しく実施しているか、例えば抜き打ちチェックを東京都として実施する、あるいは罰則規定で店の名前を公表するのみならず、経営者の名前も公表するといった事も考えられたかと思いますが、特に何も考えてない運用だという事には正直驚きました。
記事ではステッカーの「入手が容易」と書かれていたので、少しこのプロセスを見てみます。
www.bousai.metro.tokyo.lg.jp
まずは、このページで各業界団体の出しているガイドラインを参照して、
①利用規約に同意します
②基本情報を登録します
ここで店名や住所、などを入れるのですが、実在しない住所を入れても通りますね。。。必須項目が入っているか以外は特にチェックされてない様です。
③最後に実施している感染防止対策をチェックします
全部チェックしないと先に進めないので、ここまで入力した人は、（一部未実施でも）そのまま全部チェックする方が多いかなという印象です。
最後に入力確認の画面が表示されて・・・
回答ボタンを押したら終了の様です。
この後、一時保留になって東京都の職員が申請をチェックするのか？と思ったのですが、特にそうした工程は無く、この後すぐに「ステッカーPDF」の入手が可能な様でした。
こうして、チェックシートに全部「〇」を付ける方式というのは、セキュリティ関係でも多くありますが、チェックする人が正しくつける事を前提としていますし、然るべき所に提出（追加書類）が必要になるケースもあります。
また、回答責任という意味では、最後に責任者の署名（責任担保）を求めるケースもありますが、東京都の感染防止ステッカーを入手する上では、特にチェックらしいチェックもありませんでした。
しかし、そもそも東京都でこうした「性善説」が成功するのであれば、街中でマスクをしてない人にそんなにすれ違う事も無いでしょうし、県をまたいで移動している旅行者も、そしてそうした積み重ねた結果として、新規感染者数が今の様な状況にはなってないのではないでしょうか。
この運用だと、また「次が出る」気がしてなりません。
余談です。ここまでチェックが緩いと・・・こんなステッカーも簡単に出力が出来てしまう様です。※マヨン２は今回クラスターが起きたお店の名前です
私も住所を皇居のものにしてテスト入力してみましたが、特に問題無く入力が通ったので、適当な入力でステッカーを入手する事も可能な様です。
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